ジャングルの密林の中できらびやかに花開いた文明は、突然、消滅した。人々はどこへ消えたのか。その理由は不明のままだ。
そんな謎に包まれたマヤ文明について、様々な憶測が飛び交ってきた。「マヤ文明が栄えたメキシコ、グアテマラの一帯は古代ムー大陸の一部だ」「アトランティス大陸の人々がこの地に流れ着いてマヤ文明を築いた」・・・。
また、マヤのパレンケ遺跡の石棺には神官が宇宙船を操縦しているかのようなレリーフが彫られているため、「マヤの王たちは他の惑星から飛来した宇宙人だ」などといったものまである。
「目に見える現実の世界の中に、目で見ることのできない世界が存在し、目に見えない世界に、この世の現実が隠されている。そして万物の全ては大宇宙のリズムの中にある」という言葉がインド思想のギーターサールに記されているが、マヤの人々は大宇宙を捉え、その鼓動の中に生きた人々である。
2012年以降が存在しないカレンダー
その暦であるマヤカレンダーは、マヤ文明の高次の極点と言える。
マヤカレンダーにはロングカウントと呼ばれる長期暦がある。「キン」を1日とし、20キンで「ウィナル」、18ウィナルで「トゥン」、20トゥンで「カトゥン」、20カトゥンで「バクトゥン」(=14万4000キン)である。
カレンダーは紀元前3114年からスタートしている。だが、13バクトゥンが終わると、その先、すなわち2012年12月21日の金曜日以降は存在していない。
なぜ、それ以降のカレンダーは存在しないのか? ノストラダムスの予言の再来のようだが、「人類の終焉か?」などという説が、ここ数年、世界中で話題となっている。
世界中のネットやミステリー誌で煽られる根拠のないフォトンベルト説というのがあるが、世界の各方面の学者や経営者、政治家の間でも2012~14年には危機が起きるという説を主張する人は多い。
それは、地球環境の変動に始まり、世界の経済や国家のプライマリーバランス、社会構造やシステムなどが今、限界に来ており、それらの多くが破綻、崩壊する時期が、ちょうど2012~14年に数多く集中していると言うのだ。
マヤカレンダーとはまったく関係のない所にいる日本の大手飲食チェーンの著名な経営者の講演を以前、拝聴したことがあるが、「このままでは日本国家の財務状況と経済は2012年にクラッシュする可能性が高い」といった話を真顔でしていた。この経営者の会社は現在も経団連に所属しており、その方面では今でも日本を代表する企業である。
古代マヤ人の予言か、それとも気まぐれか。2012年問題は、しばらく盛り上がりを見せそうだ。
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