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子育て

民主が母子加算復活方針 一人親世帯で賛否さまざま

(9月14日 05:00)

 「アニメの殿堂より母子加算の復活を」−民主党の鳩山由紀夫代表が衆院選の選挙期間中、街頭演説のたびに取り上げた生活保護の母子加算。圧勝の勢いに乗る同党は、本年度中の復活を打ち出した。県内に約500人とみられる対象者にとっては朗報だが、生活保護を受けずワーキングプア状態で生活する一人親家庭からは「不公平」と不満も漏れる。

 母子加算は「生活保護を受けている母子世帯より一般の母子世帯の方が収入が低い」との理由で2008年度末に廃止された。県保健福祉部によると、県内では昨年7月現在で472人が受給。一人親家庭の2%程度に当たる。

 「少しでも蓄えられれば」。障害のある高校生の長男の世話のため働けない県南の女性(40)は、復活に期待を込める。

 生活保護を含む今月の扶助総額は約20万円。家賃と子ども3人の食費、修学旅行の積立金に消え、中学生の次男が楽しみにしている地域の催しへの参加は「来月はあきらめようかと考えている」

 宇都宮市の女性(37)は、廃止による減収分を知人への一時的な借金で乗り切った。障害のある子ども2人を抱え、短時間しか働けない女性にとっては公的援助が頼みの綱だ。

 しかし、生活保護を受けずに働く一人親家庭の母親たちの胸中は穏やかではない。

 宇都宮市の女性(53)はフルタイムで働き、残業もこなすが、手取り収入は13万円。「朝から晩まで働いて生活保護より低い賃金」のため、夜間は飲食店でアルバイトをする。

 この生活で子ども3人を成人させた女性は「『働かない』のと『働けない』のは違うことは分かる」と前置きしつつ、「(生活保護に)母子加算まで復活するのは納得がいかない」と首を振る。

 多くの一人親家庭を見てきた宇都宮市母子寡婦福祉連合会の安納ミヤ子会長(74)も「人によっては遊興費に充てるだけ」と懐疑的だ。「大多数の親は苦しい環境で仕事を掛け持ちして頑張っている。自立させるために必要なのは、お金のばらまきではないと思う」と話している。


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