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今春も楽しみな映画が目白押し！　映画館に出掛ける人も多いことでしょうね。ところで、映画館の座席といえば、最新の超高級シートから年季の入ったものまで様々ですが、座るたびにいつも気になってしまうのが"肘掛け"のこと。左右両側に取り付けられていることが多いけど、アレって、どっちを使うのが正しいの？
楽しみにしていた映画を観に、休みを利用してようやく訪れた映画館。そこでもし、座席の左右両側の肘掛けが既に他のお客さんに占領されていたら、あなたならどうしますか？　そのまま泣き寝入りして、肩身の狭い思いをしながら映画を観るのか、それともちょっとずつ肘で攻撃を仕掛けて無言の"肘掛け争奪バトル"を繰り広げるのか。いずれにしても、リラックスして映画を楽しむどころではありません。では思い切って「これ、自分の肘掛けなんですけど」と主張する方法で行きますか…でも、そもそも「自分の肘掛け」って、左右どっち？
ということで、そんな映画館の座席にまつわる疑問を解消すべく、都心最大級の規模を誇るシネマコンプレックス「新宿ピカデリー」にお邪魔して、松竹株式会社の映画興行部マネージャー・樫村さんにお話を伺いました。

【お相撲さんが座っても大丈夫!?】


日本人の体型は、昔に比べて大きくなっていると思いますが、それにあわせて映画館の座席も随分と変わってきている印象を受けます。

そうですね。昔は座席のサイズも小さかったですし、クッションも硬かったように思います。最近では座席の大型化やクッションの改良はもちろん、鑑賞中に首が疲れないハイバックシートの導入も増えているようです。より快適に映画を楽しむ工夫がされていますね。

座席はどれくらいの大きさになっているんですか？

新宿ピカデリーでは、横幅は約55cm、前後幅は約110cmというサイズを採用しています。この大きさだと、身長180cmくらいでガッチリ体型の成人男性が2人並んで座っても、肩が触れるか触れないか、といったところです。前後幅も、座っている方の前を通るのが、比較的スムーズになっていると思います。

重さは何kgまで耐えられますか？

何キロと具体的な数字ではありませんが、シートにお尻が収まるくらいの体型の方でしたら、問題なくお座りいただけます。これまでに「お客様の体重で椅子が壊れた」というようなことはありませんね。

たとえばお相撲さんなど、シートにお尻が収まらないような人が来館した場合はどうするんですか？

実は本物のお相撲さんが来場されることもあるのですが、皆さん１席でお座りいただけています。さらに大きなお客様が来られた場合にはケースバイケースで対応させていただきます。映画館によっては、座席そのものが大きかったり、（新幹線や飛行機の肘掛けのように）肘掛けが持ち上がるタイプを使っているところもあるようです。ちなみに新宿ピカデリーのスクリーン1では、プラチナルームという豪華なソファ席も用意していますので、大柄な方でもゆっくりとご覧いただけます。

【前の席に背の高い人が座ってしまったら…】

シート自体はかなり快適になっているようですね。でも、前の座席に背の高い人が座ってしまったときのガッカリ感といったら、今も昔も変わらないように思いますが…

最近のスタジアム型のシアターでは、列の前後に段差がありますので、以前よりは随分と改善されてきているかと思いますが、気になるときは、すぐに映画館スタッフまでお声掛けください。空席がある場合は、ほかの座席をご案内しますので。

ちょっと座席の話からはそれますが、同じく映画館で「ガッカリ」する場面といえば、ほかの人の話声や、ケータイ電話、食事の音がうるさい時なんかがありますね。

おしゃべりやケータイ電話の音などは、上映前にマナー告知をしている映画館も多くありますので、多くのお客様にご理解いただけているかと思います。食べ物に関しましては、おせんべいのような音のする物や、カレーやニンニクなど匂いの強い食べ物は販売しないようにしていますが、包み紙を開ける音など、耳障りな場合もありますよね。他のお客様が気にならないように美味しく召し上がっていただきたいところですが、もし極端に音や匂いが気になる場合は、映画館スタッフのほうで対応させていただいております。

あと、イビキにはかなりガッカリさせられますが…

そうですね。心地よく熟睡されているお客様もいらっしゃいますが、眠っている方のイビキで、周囲のお客様の迷惑になるようなことは避けなければなりません。特にお正月など、ちょとお酒をたしなんでからのご鑑賞の場合には気をつけていただければ。隣の方のイビキが大きいときは、映画館スタッフまでお知らせください。

【肘掛けは、左右どちらを使えば…？】

ところで、映画館でいつも気になってしまうのが座席の横についている肘掛け。左右両側に取り付けてあることが多いのですが、アレはどちらが自分用なんですか？

結論から言うと、特に決まりはありません。どちら側を使っていただいても構いませんし、席が空いている場合は両方をお使いいただいて結構です。「肘掛けは誰のものか」ということであれば、「先に肘を置かれたお客様のもの」ということになります。基本的には、早い者勝ちですね。ただ最近は、お客様同士が気を使い合ってくださって、肘掛け全面をがっつり使わずに、ご自分側の一部を使っている場合が多いようですよ。

肘掛けの奪い合いでケンカなどが起きたりはしませんか…？

これまでに肘掛けが元でトラブルが起きたという話は聞いたことがありませんね。新宿ピカデリーの場合は、肘掛けの真ん中にタテに線を入れていまして、1つの肘掛けを両側の席のお客様で共にお使い頂けるような作りになっていますので、取り合いにはならないようです。ぜひ一度、お試しください。

肘掛けを勝ち取るためには、「早く座席に座る」ことが大切だということですね。

あとは、お二人以上で一緒に来られると良いでしょうね。カップルや友人同士であれば、真ん中の肘掛けを分け合えって使えますから。おひとりの場合でしたら、座席指定の時に通路側の席を選ぶのも一つの手かもしれませんね。それと、カップルのお客様は寄り添って鑑賞されることが多いので、その隣だったら肘掛けが空いているかもしれませんね。

肘掛けと同じく疑問に感じていたのが"カップホルダー"なんですが、これもやっぱり「早いもの勝ち」ですか？

そうですね。肘掛けと同じで「こちらが自分のもの」という決まりは設けてないんです。ですから、そういう意味では「その肘掛けを使っているお客様のもの」ということになりますでしょうか。ただ、両方使用するのはご遠慮ください。

というわけです。映画館の肘掛けは「早いもの勝ち」ですが、だからといって混んでいる映画館で両側を占有するのはもちろんNG。ゆずり合いの気持ちで、楽しく映画を鑑賞したいですね。

written by トレンドGyaO編集部

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