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兵士不足の米国“増兵法”に若者たちが反発
アメリカ大統領選挙で最大の争点の一つとなっているイラク問題。駐留が長引く中、アメリカでは兵士不足が深刻な問題となっており、兵士不足を補うための「ある法律」に若者たちが反発を強めている。
アメリカ同時多発テロから7年を迎えた11日、ニューヨークの世界貿易センタービルの跡地で追悼式典が行われたころ、4000人の若者がイラクへ派遣された。中には、共和党の副大統領候補、サラ・ペイリン氏の長男(19)もいる。
今、政府のターゲットは卒業を控えた高校生で、東部・バーモント州の高校に通うエミリーさん(18)の元には軍から定期的に勧誘の電話やメールが来るという。
アメリカ軍は全米の高校生の連絡先を把握している。これはブッシュ政権が作った「NCLB法」により、生徒の個人情報、親の収入などを学校が軍に提供することを義務づけているためで、軍の人事担当者はその情報を基に一日100人に連絡する。軍は、入隊と引き換えに大学の学費を援助するシステムを取っていて、入隊を決意する高校生は年々増えている。
しかし、このシステムには落とし穴があるという声が上がっている。ロサンゼルスに住むウェンディーさん(22)もその一人で、軍は勧誘の際、危険な戦地に行く可能性について一言も触れなかったという。「うちは学費を払えるお金がなかった」-ウェンディーさんは3年間訓練するだけだと思っていたが、入隊から2年を迎えたころに突然、イラク行きを言い渡された。ウェンディーさんは「イラク行きの可能性を伝えたら、みんな怖がるからでしょう」と話す。
イラク戦争の戦死者の約3割が21歳以下という状況に、エミリーさんら高校生はNCLB法の廃止を求めて抗議活動を続けている。政府へと向けられた若者の怒りに、次期アメリカ大統領はどう応えるのだろうか。
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