下伊那郡南部の交通の在り方を探る下伊那南部地域公共交通対策協議会(会長、佐々木暢生・阿南町長)は10日、信南交通(飯田市)の一般路線バス直営からの撤退方針を受けた新たなバス3路線の実証運行を始めた。阿南町で記念式典を開き、関係者ら約40人が門出を祝った。
新3路線は、同町新野、早稲田と飯田市川路を結ぶ「新阿南線」と、売木村から県立阿南病院(阿南町)経由でJR温田駅(泰阜村)まで結ぶ「温田線」、泰阜村-川路の「泰阜線」。住民アンケートなどを基に運行時間帯や便数を設定した。売木や新野から泰阜村温田へ向かう便は1日計6便、帰路は8便。川路行きは1日4便、帰路は3便。泰阜線は1日1往復する。
料金は、売木と新野、阿南町内(新野を除く)と温田、下条村、川路の4ゾーンに分け、同じゾーン内で降りると100円。別ゾーンで降りると1ゾーン当たり100円を加算する。売木-川路の場合、片道400円となる。
3路線ともマイクロバスを使い、新阿南線と温田線は車両管理業などの大新東(東京)、泰阜線はマルトハイヤー(泰阜村)に運行委託した。
佐々木会長は「公共交通は地域の生活基盤、集落の存続にかかわる。地域住民の足として役に立つようにしていきたい」と述べた。
(提供:信濃毎日新聞)