2009年9月10日9時34分
近畿車輛(7122)は、7円高の874円と続伸している。この日9月10日に同社が鉄道車両を納入したドバイ・メトロが開業予定にあることをキッカケに、鉄道関連の環境株人気が高まっているもので、民主党の鳩山由紀夫代表が、新内閣発足後の今月下旬の国連気候変動サミットで2020年までの日本の温暖化ガスの中期目標として「1990年比25%削減」をアピールすると伝えられ、低環境負荷の鉄道輸送へのモーダルシフトの加速要因になることや、今3月期業績が早くも今年8月に上方修正されたことも見直し材料視されている。同社の業績は、ドバイ道路交通局やダラス高速運輸公社、フェニックス交通局、シアトル交通局向けなどの電車の納入増から前期以来、上方修正ペースで推移、今期も第1四半期(1Q)決算発表時の8月に上方修正、通期純利益は、期初予想の30億円を37億円(前期比26%増)と連続の過去最高更新の更新幅を拡大する。鉄道車両の輸出案件の原価低減などで収支改善が見込まれるとして上方修正したが、この前提となる1Qの鉄道車両関連事業の売り上げは前年同期比26%増、営業利益は96%増と大きく伸びた。今後も、世界的に鉄道インフラ投資は拡大が予測され、これに対応して同社は、昨年9月にスチール製玄関ドアの生産を中止、今年6月末にアルミニウム事業を廃止するなど鉄道車両特化を強めており、業績を押し上げることになる。株価は、今期業績増額で窓を開けて年初来高値936円まで200円高して半値押しのスピード調整をした。信用売り残も積み上がり大取組となっており、PER16倍台の割安修正へ再発進しよう。