明 治 ・ 大 正 ・ 昭 和 時 代 四
やはらかに柳あをめる/北上の岸邊目に見ゆ/泣けとごとくに
石川啄木
一握の砂
桂 重俊
かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水の流るる
吉井勇
酒ほがひ
新井 寛
葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道に行きし人あり
釋迢空
海やまのあひだ
岡野 弘彦
篠懸樹かげゆく女らが眼蓋に血しほいろさし夏さりにけり
中村憲吉
松の芽
來嶋 靖生
わが持てる堤燈の炎はとどかずて櫻はただに闇に眞白し
岡本かの子
浴身
高井 有一
鐵塔に蓬のそよぐ風ありて天の深さは限り知らずも
土屋文明
韮菁集
安東 路翠
ああ四月西の國には薔薇さく日東の國にさくらにほふ日
堀口大學
パンの笛
新井 寛
うつそみのいのち一途になりにけり生れまく近き吾子をおもへば
五島美代子
暖流
中井 茂雄
其一
其二
其三
其五
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