明 治 ・ 大 正 ・ 昭 和 時 代 三
最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも
齋藤茂吉
白き山
松岡 隆範
大そらを静に白き雲はゆくしづかにわれも生くべくありけり
相馬御風
御風歌集
新井 寛
向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ
前田夕暮
生くる日に
添田 邦裕
人戀ふはかなしきものと平城山にもとほり來つつ堪へがたかりき
北見志保子
花のかげ
一戸 冬彦
みすずかる信濃の駒は鈴蘭の花咲く牧に放たれにけり
北原白秋
海阪
八嶌 正治
若竹の風のそよぎに磨る墨の匂ひを立つる朝の手習
四賀光子
朝月
太田 絢子
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
若山牧水
海の聲
新井 寛
牡丹花は咲き定まりて靜かなり花の占めたる位置のたしかさ
木下利玄
一路
新井 寛
其一
其二
其四
其五
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