明 治 ・ 大 正 ・ 昭 和 時 代 二
みづうみの氷は解けてなほ寒し三日月の影波にうつろふ
島木赤彦
太虚集
篠 弘
ひともとの海棠の花若葉木のながめとなりぬ山々の雨
岡麓
涌井
秋山 加代
學徒みな兵となりたり歩み入る廣き校舍に立つ音あらず
窪田空穗
冬木原
新井 寛
なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな
與謝野晶子
みだれ髮
新井 寛
垂乳根の母が釣りたる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども
長塚節
長塚節歌集
來嶋 靖生
神まつるわが白妙の袖の上にかつうすれゆくみあかしのかげ
大正天皇
大正天皇御集
小田村 四郎
はつなつ の かぜ と なりぬ と みほとけ は をゆび の うれ に ほの しらす らし
會津八一
鹿鳴集
山崎 馨
山空をひとすぢに行く大鷲の翼の張りの澄みも澄みたる
川田順
鷲
太田 絢子
其一
其三
其四
其五
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