鎌 倉 ・ 室 町 時 代 二
大海の磯もとどろに寄する波われて碎けて裂けて散るかも
源實朝 金槐和歌集 石井 好子
ここにても雲居の櫻咲きにけりただかりそめの宿とおもふに
後醍醐天皇 新葉和歌集 山口 秀範
かへらじとかねて思へば梓弓なき數に入る名をぞとどむる
楠正行 太平記 藤岡 弘
我が庵は松原つづき海近く富士の高嶺を軒端にぞ見る
太田道灌 慕景集 阿川 佐和子
もののふの鎧の袖を片敷きて枕に近き初雁の聲
上杉謙信 北越軍談 廣瀬 誠
其一
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