2009年9月11日5時10分
車を運転中に携帯電話を使ったとして大阪府警の取り締まりを受け、違反点数の累積で運転免許が停止された住職(68)=大阪府吹田市=が「取り締まりは誤認だ」として、府に免停処分の取り消しと100万円の賠償を求めた行政訴訟で、大阪地裁(吉田徹裁判長)は10日、住職側勝訴の判決を言い渡した。
判決は、車内から携帯電話が見つからなかったことや、住職の「普段から携帯電話は使っていない」との主張を踏まえ、「使用の事実は認められない」と指摘。免停処分を取り消し、檀家(だんか)回りに支障が出たことへの賠償などで10万円の支払いを府に命じた。
取り締まりにあたった警察官が「携帯電話を耳にあて、口を動かしているのを見た」とした証言について、判決は「単に手を耳の付近にあてていたのを誤認した可能性を否定できない」と述べた。
判決によると、住職は07年10月、大阪市北区の交差点付近で乗用車を運転しながら携帯電話で通話したとして、違反点数1点を付けられた。その後、速度違反で加算され、昨年8月に120日間の免停処分を受けた。携帯通話の違反点がなければ免停処分にあたらなかった。
大阪府警の森口泰多(やすかず)監察室長は「判決内容を精査し、適切に対応したい」との談話を出した。(阪本輝昭)