今回、逮捕された警察官は、アルコール依存症のような症状を見せていました。
なくならない飲酒運転とアルコール依存症との関係が、改めて指摘されています。
きょう、酒酔い運転やひき逃げ容疑などで送検された、古賀達雄容疑者。
血液からは、基準値の4倍を超えるアルコール成分が検出されました。
車内には、開いていない缶ビールが6本、置かれていました。
警察によりますと、古賀容疑者は、肝機能障害で入院したこともあり、上司が自宅を訪ねるなどして、酒を控えるよう度々、指導していたということです。
似たような飲酒事件が去年4月、北九州市でも起きています。
酒酔い運転容疑で逮捕された北九州市の男性職員はアルコール依存症で、市は定期的に自宅を訪問して、酒を控えるよう指導。
家族にも協力を要請していました。
しかし、アルコール依存症で通院する途中に、車内でカップ焼酎を飲み、事故を起こします。
車内には、飲み干したカップが置かれていました。
専門家は、アルコール依存症は病気だという認識が必要だと指摘します。
酒を飲まないと自己抑制力が低下するため、危険だと自覚していも運転がやめられないアルコール依存症。
症状が進行しても、本人に自覚がないケースが少なくないといいます。
3年前のきのう、福岡市職員の飲酒運転で幼い子ども3人が犠牲となった事件を受けて、福岡市は、専門の医療機関のスタッフを招き、職員に飲酒の記録をつけさせたり、健康指導したりするプログラムを実施しています。
福岡市の職員が過去に起こした27件の飲酒運転を調べると、そのおよそ7割が、依存症に近い状態でした。
法律が改正され、飲酒運転は厳罰化されました。
また、様々な人たちが飲酒運転撲滅に取り組んできました。
ただ、個人のモラルとは別に、アルコール依存症という病気とどう向き合うかという難しさも、今回の事件は示しています。