記事が気に入っていただけたら
下のバナーをそれぞれクリックしてください
足利から布川へ/再審確定へ力尽くそう/茨城・布川事件 第19回全国現地調査(救援新聞・2009年9月15日号から) 42年前の1967年に茨城県利根町布川(ふかわ)で起きた強盗殺人で桜井昌司さんと杉山卓男さんが犯人とされた布川事件。2人は裁判のやり直し(再審)を求め、一審の水戸地裁土浦支部、二審の東京高裁でも再審開始決定を勝ちとり、現在最高裁でたたかっています。その布川事件の19回目となる全国現地調査が8月29日、30日におこなわれ、14都道県から105人が参加しました。最高裁の審理も大詰めを迎えるなか、足利事件の菅家利和さんも招いて、再審の扉を大きく開けようと活気あふれる現地調査になりました。
足利事件の菅家さん(中央)と握手を交わす桜井さん(左)、杉山さん(右) 1日目は事前学習会としてDVD「布川事件の40年」の上映と桜井さん、杉山さんからの訴え、そして弁護団報告、2日目は現地調査とまとめの集会をおこないました。
「何とか自分たちが勝って、いま刑務所にいて冤罪を訴えている仲間たちを助ける力になりたい」と語る桜井さん。
「菅家さんという同志も帰ってきた。手を携えて、冤罪をなくすまでたたかい続ける」と、再審開始決定を勝ちとる強い決意を述べました。
つづいて、桜井さんと杉山さん、菅家さんの3人がそれぞれの取調べの様子を語り、ウソ、甘言、脅し、暴力を使ってウソの自白をさせる警察・検察の姿を明らかにしました。杉山さんは「警察の言葉がぐるぐると頭をかけめぐり、わけがわからなくなった」と生々しくふり返りました。
証拠何もない
ずさんな判決 弁護団報告では、飯田美弥子弁護士が桜井さん、杉山さんを無期懲役とした誤った裁判の判決のずさんさをわかりやすく指摘。犯人と2人をつなげる物的証拠が何もないことや、検察によって「目撃証言」が作りかえられる過程を表にし、わかりやすく解説しました。また、高裁で明らかになった証拠以外にも、無実を証明する証拠が警察・検察によって未だに隠し続けられていることを厳しく批判しました。
「同じ冤罪だ」
菅家さんも確信 2日目の現地調査では、「自白」にもとづき、事件当日の2人の行動を追いながら、事実と違う点を一つひとつ確認していきました。有罪判決の柱となっている「事件当日に被害者宅前で桜井さん、杉山さんを見た」という「目撃証言」を確かめるため、2人を「目撃」したとする場所で、実際証言通りに見えるかどうかの検証もおこなわれましたが、参加者から「遠くて昼でも見えない。(目撃されたとする)夜なら見えるはずがない」との声が漏れました。

まとめの集会では、菅家さんが「現地を回って、布川事件も私の足利事件と同じように冤罪だと確信できた」と発言。また、地元の住民が飛び入りで参加し、「全国からこんなにたくさんの人が参加していて驚きました。地域の人たちも2人は無実だという見方が大きくなっている」と心強い応援を送りました。
参加者は、2人の無実を確借し、一日も早く再審・無罪を勝ちとることを確認しました。
年内に決定も
さらに強化を 布川事件が係属している最高裁第2小法廷では12月に2人の裁判官が退官することから、年内にも決定が出される可能性があります。再審開始決定を確定させ、無罪を勝ちとるために、支援の力を急ぎ強めていくことを確認しました。
(要請先)〒102-8651 千代田区隼町412 最高裁第2小法廷・竹内行夫裁判長