現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

日食観察で目に異常、裸眼やカメラで痛み 初の全国調査

2009年9月13日3時3分

 7月22日にあった日食で太陽を直接見たり、カメラを長時間のぞき込んだりしたため、目の奥に痛みや熱さを感じたり、違和感を覚えたりしたケースが国内で少なくとも9例あることが、研究者や学校の指導者らによる初の調査でわかった。現在も症状が続いている例もあり、専門家らは眼科を受診するよう呼びかけている。

 調査は、約600人の研究者らでつくる天文教育普及研究会と、世界天文年日本委員会が今月4日から、同研究会のホームページ(http://www.tenkyo.net/)などで始めた。日食時の太陽光による目の異常を調査した例は世界的にもほとんどないという。

 これまでに寄せられた報告によると、目の異常を訴えた人はいずれも、裸眼で太陽を数十秒間見たり、光を弱くするフィルターを付けたカメラを数分〜10分以上のぞき込んだりしていた。フィルターが目に悪影響を及ぼす赤外線などを遮るタイプでなかったり、レンズの集光で光が強まったりした可能性がある。失明の報告はないという。

 国内では12年に、太陽の中央部が月に隠れて光の輪になる金環日食が見られる。見られる地域には大阪や名古屋、東京などの人口密集地が含まれるため、同研究会は、より多くの人が太陽を見ることになると考え、目に危険な行為の事例を集めて安全な観察に生かすという。

 同研究会ワーキンググループの高橋淳代表は「今回は全国的に天候が悪かったにもかかわらず、早くも報告が集まり始めている。安全な観察法が周知されなければ、次回は目に深刻なダメージを受けるケースが多発しかねない」と心配している。調査速報は14日から山口県で開かれる日本天文学会の秋季年会で報告される。(東山正宜)

関連トピックス

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内