Print this Post Article Lists Back

【コラム】韓中FTA、台湾と競争だ(下)

 最近になって状況は変化している。中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)とのFTAを結んだのに続き、台湾との事実上のFTA交渉に着手し、韓国に圧力をかけている。韓国企業が自信満々だった韓中間の技術格差も大きく縮まった。サムスン、LGなど韓国の大企業は、携帯電話端末の中国製コピー商品の高い完成度に舌を巻いている。韓国よりも先に電気自動車を発売するなど、自動車分野でも追い上げられている。その上、金融危機のさなか、中国の内需市場は急成長を続けている。そろばんばかり弾いているのではなく、FTA締結を通じ、中国市場攻略に拍車をかけるべき時期が到来した。

 先月、イ・ミョンバク大統領の特使として北京を訪問した、司空壱(サゴン・イル)G20(主要20カ国・地域)企画調整委員長は「韓中FTAは早ければ早いほどよい」と発言した。しかし、「イ大統領の任期内に交渉開始が可能か」との質問には、「事前に地ならしが必要だ」と言葉尻を濁した。

 韓国は2000年以来、1300億ドル(約11兆7900億円)以上の対中貿易黒字を出しており、これが為替危機の克服や韓国企業の成長に役立った。現在も対中貿易は全体の20%を占めている。未来世代の雇用も相当部分が中国にかかっている。

 就任当初、ろうそくデモに苦しめられたイ・ミョンバク政権は、光化門広場が再び農民や漁民に埋め尽くされる事態を恐れるかもしれない。しかし、政治的にためらっている間に東アジアの経済地図は急速に変化している。

北京=チェ・ユシク特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る