自身の荷物を取りに吉本本社を訪れた前田五郎=大阪市内
元「コメディNo.1」の漫才師・前田五郎(67)が、漫才師・中田カウス脅迫事件に絡み「犯人扱いされ、休業を強制され、仕事を奪われた」として、所属の吉本興業などに約1億円の損害賠償を求める提訴準備をしている問題で、前田の代理人を務める弁護士が11日、大阪市内で会見。提訴について「吉本が話し合いに応じるなら、喜んで取りやめる」と発言をトーンダウンさせた。
吉本側は前田が「さらば吉本興業」の副題で週刊誌に手記を掲載したことから、8日付で前田とのマネジメント契約の解消を通知。事実確認のため5日間の猶予期間を与えている。
代理人は問題の手記について本人が書かず「取材に答えた」と明かし、副題も「こちらの考えと違う」と述べ、本人の引退意思を否定。今後、前田の吉本復帰をあらためて求めるという。
ただ、本当に提訴できるのかどうかは微妙な情勢だ。前田は脅迫状事件について、7月から大阪府警南署の聴取を受け、捜査は継続中。さらに前田は経済的に困窮しており、提訴に必要な印紙代、着手金など数百万円も原告側は立て替えなければならなくなるという。
前田は最近手記や一部の独占取材で吉本への不満を激白。しかし、その内容はカウスや、相方の坂田利夫らの証言を基にしたデイリースポーツなどの取材で、ほとんどデタラメだったことが分かっている。