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ビックリ判定!!セメンヤは両性具有

 陸上の世界選手権の女子800メートルで優勝したキャスター・セメンヤ
 陸上の世界選手権の女子800メートルで優勝したキャスター・セメンヤ

 陸上の世界選手権女子800メートルで圧勝しながら性別疑惑が持ち上がっているキャスター・セメンヤ選手(18)=南アフリカ=が精密検査の結果、男性の生殖器を併せ持つ両性具有であることが判明したと、11日付のオーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)などが報じた。国際陸連(IAAF)はまだ公式的な発表をしていないが、検査結果を精査して11月の理事会以降に最終判断を下す見込みだ。

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 同紙によると、18歳のセメンヤ選手には卵巣がなく、代わりに体内に男性ホルモンを大量に分泌する精巣があることが医学的な報告で示された。

 男性疑惑が浮上したのは7月末の「アフリカ・ジュニア選手権」。昨季まで2分も切れなかったセメンヤが1分56秒72の今季世界最高をマーク。彗星(すいせい)のごとく現れた新鋭の急成長もさることながら、体形や顔立ちが少年のようであり、「男性ではないか」という疑惑が持ち上がっていた。

 そして世界陸上女子800メートルで、セメンヤは1分55秒45という今季世界最高タイムで初優勝。世界中が注目する大舞台で「男性疑惑」はさらに深まった。一方で、母国の南アフリカでは「人種差別だ」という騒動にも発展していた。

 金メダルを獲得後、国際陸連は、性別を医学的に調査。セメンヤは血液や染色体のほか婦人科の検査を受けていた。その結果、男性と女性の生殖器を持つ両性具有であることが分かったと報じている。

 国際陸連はこれらの報道を「IAAFの公式見解ではない」と強調する声明を発表。検査結果を医療の専門家グループに精査させるため、最終判断は11月20、21日の理事会以降となる見通しを示した。

 同紙はまた、セメンヤは同大会での金メダルをはく奪されることはないものの、2位だったケニアのジェネス・ジェブコスゲイに別に金メダルが与えられる可能性があると伝えている。AP通信によると、IAAFのデービス広報部長は「男性ホルモンのおかげで有利であることが証明されれば、不正ではなく、そのように生まれたわけだから、メダルをはく奪することは極めて難しくなるだろう」と語った。

(2009年9月11日)
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