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高速料値下げ影響?、密漁増加・摘発9割が県外者…福井

密漁の被害にあった貝類(8月13日、敦賀市の敦賀港湾合同庁舎で)=敦賀海上保安部提供

 福井県内沿岸での今年1〜8月の密漁の摘発件数は63件、摘発者数は41人で、過去5年間で最悪だった昨年1年間(62件、45人)に並ぶ水準だったことが、敦賀海上保安部のまとめでわかった。摘発者の9割は県外在住者で、密漁は土日や祝日に集中的に発生。同保安部は「土日と祝日に高速道路料金の上限が1000円に引き下げられたことが背景にあるのでは」とみている。(冨山優介)

 同保安部によると、被害の主な内訳は、サザエ2022個(109キロ)、アワビ91個(10キロ)、カキ56個(14キロ)――など。8月13日には、滋賀県内の男性2人が敦賀市元比田の海岸でサザエ527個(27キロ)とアワビ20個(1キロ)を密漁し、同保安部が漁業法違反(漁業権侵害)などの容疑で摘発した例もあった。

 土日と祝日の高速道路料金が上限1000円となる値下げがスタートした3月28日以降に発生したのは、60件。このうち、高速道路料金の値下げの対象日に発生したのは、45件に上った。また、摘発を受けた人の内訳は、県内が4人だったのに対し、県外在住者は大阪府14人、愛知県10人などとなり、京阪神や中京方面からが多数を占めた。

 素潜りによる密漁が多く、用意した網にとった貝類を入れ、海中に網を置いたままいったん浮上し、海面で周囲を見回してから網を回収したり、見張り役を置いたりと、手口も巧妙化しているという。漁業者の1人は「漁獲量そのものが少なくなっており、大打撃。四六時中、監視するわけにもいかないし、腹立たしい」と憤る。

 同保安部の小倉保洋次長は「県内の沿岸は良好な漁場だけに、標的になっているのだろう。けしからん行為で、行政や漁協と協力し、防止に努めていきたい」と話している。

2009年9月11日  読売新聞)
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