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トーク21

9月6日

音楽の力で人に勇気を

歌手 沢田知可子さん
私には伝えたい「歌」がある!

四国女子学生部長 飛鷹陽子さん
自分を表現することが自信に


 今回の「トーク21」は、歌手の沢田知可子さんが登場。民音主催の公演が8月31日に四国で始まり、現在、全国ツアー中です。四国女子学生部長の飛鷹陽子さんと、音楽のもつ力をめぐって語り合ってもらいました。

「歌セラピー」で心を癒やす
 飛鷹 先ほど、コンサートを拝見させていただきました。素晴らしい公演でしたね。
 沢田 ありがとうございます。「歌姫ものがたり」と題した今回のコンサートでは、小林明子さん、辛島美登里さんも華を添えてくださっています。
 飛鷹 3人の代表曲はもちろん、さまざまなジャンルの名曲も聴くことができ、感動しました。
 沢田 私はよく“言霊”という言葉を使います。歌い継がれている名曲には力があります。歌詞や旋律に、エネルギーがあります。私は常に、聴いてくださる人たちにそのエネルギーを贈りたいと思って歌っています。
 飛鷹 今、沢田さんは、歌を通して心や体を癒やす「歌セラピー」を展開されていますが、何かきっかけがおありでしたか。
 沢田 2004年(平成16年)10月23日に、新潟県中越地震がありましたね。私も、すぐにでも被災地に行って何かしたいと思ったのですが、何もすることができないもどかしさがありました。
 何かお役に立ちたいと思い続けていたその2カ月後、長岡市で行われた復興宣言ライブに招待され、前年に厚生労働大臣奨励賞を受賞した「gift」という歌を歌うことができたんです。
 飛鷹 その曲の中に何度も出てくる「頑張れ!」との言葉には本当に励まされます。
 沢田 ありがとうございます。
 飛鷹 その後も、長岡や新潟の各地だけでなく、スマトラ沖地震のチャリティーコンサートなども行われましたね。
 沢田 はい。そうした経験を通して、私の代表曲である「会いたい」も、単なるヒットソングというだけでなく、鎮魂歌(レクイエム)へと変わり、より深い祈りを歌に込めるようになっていったんです。05年から、歌こそ本当の意味で癒やしになると思い、“歌セラピーライヴ”との名称でコンサートを行うようになりました。

支えてくれた夫の存在
 飛鷹 沢田さんの信念や、女性としての強さを実感します。同じ女性として、とても尊敬できます。
 ところで、これまで沢田さんご自身も、さまざまなご苦労があったかと思いますが、どうやって乗り越えてこられたのですか。
 沢田 会社勤めを辞めて歌手デビューしたのが87年のこと。幸いにして4年後に「会いたい」がヒットしました。この間、背中を押してくれた大切な先輩が亡くなるなど、悲しいできごともありました。
 それに、売れるまでも大変でしたが、今度はその大ヒットが壁となって自分の前に立ちはだかってきたんです。
 飛鷹 自身のヒット曲を乗り越えなくてはというプレッシャーがあったのですね。
 沢田 そのうちに、私は何で歌手をしているんだろうと悩むようになりました。そんな時に支えとなったのが、夫の存在でした。どんな時も苦楽をともにしてきた“戦友”である夫に感謝の思いでいっぱいです。
 飛鷹 仲の良い理想の夫婦像ですね。
 沢田 でもきっと、夫の忍耐がなかったら、やってこれなかったかもしれません(笑い)。
 飛鷹 お二人の間での決めごとなどは、あるのですか。
 沢田 ネガティブな考え方はしないようにしています。ですから私たち夫婦は、決してマイナスな言葉を使いません。そしていつも笑顔でいるように心掛けています。

「頑張れ」と歌い続けたい
 沢田 ある時、テレビ番組で有名なキャスターが、「頑張れ」という言葉は、心の病をもっている人には使ってはいけないと訴えていました。するといつしか、「頑張れ」という言葉を、安易に使ってはいけないということだけが、強調されるようになりました。
 その時に「だからこそ、私には伝えたい歌がある」との思いがわいてきたのです。
 飛鷹 音楽で何かを伝えたいという気持ちは、よく分かります。私は小学5年から8年間、鼓笛隊に所属していました。
 沢田 そうでしたか。実は私も鼓笛隊の指揮者だったんですよ。
 飛鷹 鼓笛隊をつくってくださった池田名誉会長は、「音楽ほど、人間の心情を語ることにかけては、これほど真正直なものはない」と語っています。
 もともと内向的だった私が、自分に自信をもつことができたのも、音楽の力だったんです。
 沢田 自分を表現できることは本当にうれしいことですね。私も、歌のもつ力で自分が一番成長させられたんだと思っています。
 まさに「頑張れ」という言葉が必要だったのは、自分自身だったのかもしれません。
 コンサートの終了後、お客さまと触れ合うなかで、「自信を取り戻すことができた」と声を掛けられる時が、何よりの喜びです。これからも「頑張れ」「頑張れ」と歌い続けていきます。
 飛鷹 この四国での公演をスタートに、全国22会場を回られると聞きました。
 沢田 はい。一人でも多くの方に会場に足を運んでいただき、元気になっていただきたいと思います。

 今後の「歌姫ものがたり」は、愛知、岐阜、京都、福岡、大阪、東京などで行われます。詳しい公演の日程は、沢田知可子さんの公式ホームページ(http://www.chikaco.com/)、民音(電話03・5362・3440)、または各地の民音センターまで。
プロフィール
 さわだ・ちかこ 1987年、「恋人と呼ばせて」で歌手デビュー。90年に発表した「会いたい」は130万枚を超える売り上げを達成。スリランカでチャリティーコンサートを開催するなど、積極的に社会貢献活動も。現在、「歌姫ものがたり」と題する公演を行っている。

 ひだか・ようこ 四国女子学生部長。小学5年から8年間所属した富士鼓笛隊では、フルートを担当。高校の吹奏楽部ではトランペット奏者として活躍するなど、音楽とともに成長の節を刻んできた。心豊かな、若き女性リーダーとして奔走。四国池田文化会館勤務。青年部教学資格2級。
沢田さん
飛鷹さん
コンサート会場(松山市民会館)で談笑する沢田さん(左)と飛鷹さん
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