「裁判所は謝らないの?」 足利事件で最高検、謝罪

2009/6/11      twitterでつぶやく このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ! Yahoo!ブックマークに登録 newsing it!   コメント(11)   印刷

   <テレビウォッチ>栃木・足利市で幼女が殺害された「足利事件」で、DNA鑑定で犯人とは別人とわかり釈放された菅家利和さん(62)に対して、最高検がきのう(6月10日)公式に謝罪した。

聞いたことがない

   伊藤鉄男・次長検事は会見で、「真犯人とは思われない人を起訴し、服役させたことについて、大変申し訳ないことをした」と述べた。謝罪自体が異例で、みのもんたは、「検察が謝るなんてあるんですか」

   大澤孝征は、「聞いたことがない。改革といわれているが、私から見ると司法大革命だ」という。「これまでは、間違ったときでも結果論とかいうのが普通だった。裁判員制度があるからだろう。これを認めないと国民の支持がえられないという判断だと思う」

   しかし、これを受けて会見した菅家さんは、「謝るのは当然。わたしは無実で17年もこう留されてた。犯人にされたんですよ。そんな簡単に許せない。出てきて謝れ」と声を荒らげた。弁護団も、即時抗告審で、「問題点を明らかにするのは、裁判所と検察の義務だ」と主張するかまえだ。

   柴田秀一は、「本人に謝罪するのが順番だと思うが」

   大澤は、「国民に謝罪したのだと思う。国家の組織として」

   嶌信彦は、「裁判所の責任は? 長い間ほったらかしにしたとか、いろいろある」といった。もう少し早く再審を認めていれば、菅家さんは母親の死に目にあえたかもしれない。

   大澤は、「昭和の巌窟王(無実で20年以上服役。45年後に再審無罪)のとき、判決で裁判官が、先輩がやったこととはいえ、と謝っている例もある。どういう形になるか、今回もはっきりさせないと、国民が安心して裁判できない」

   その菅家さんは、会見のあと「朝ズバッ」の取材に答えた。車のなかで弁当を食べながら、「刑務所では冷たいものばかり」「一番は家庭の味。佐藤弁護士の奥さんが作ってくれた五目ごはんと温かいみそ汁」「もうねぇ、おふくろの味ですよ」などという。

   そして「おふくろは何でも作ってくれた」「もっと早くDNAの再鑑定をしていれば……」と、つい話はそっちへいく。菅家さんの母は、2年前に他界した。

   いままだ、佐藤弁護士宅に身を寄せている。釈放の2日後、大好きなカラオケに行ったという。「橋幸夫の『潮来笠』など20曲を歌った」。きのうはじめて携帯電話というものを手にした。メールは全然わからないという。

   映像を見てあらためて、えん罪がいかに悲惨なことかを思った。裁判員制度が司法の現場を変える――それが一番の効果なのかもしれない。

文  ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト

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