厚生労働省は10日、自治体が06~08年度に計画した介護保険施設などの整備状況を発表した。同施設と居住系サービスの増床実績(介護療養病床を除く)は約8・1万床で、計画総数約11・5万床の71%にとどまった。首都圏、近畿圏で軒並み低く、大都市圏で整備が進んでいないことが鮮明になった。
同省が都道府県からの報告を初めて公表した。計画の達成率が低いのは、京都39%▽東京44%▽千葉49%▽滋賀53%--など。達成したのは12県で、鹿児島184%▽愛媛、沖縄167%▽青森157%--の順。
達成率が低い都府県は理由について、人材や土地の確保が難しいことや、基盤整備の補助が不十分といった点を挙げたという。03、06年度に介護報酬が引き下げられたことも影響したとみられる。05年度までを含む累計数でみると、計画の約95・7万床に対して実績は約91・6万床で、達成率は96%となる。
施設別では、特別養護老人ホーム約3・7万床(計画約5・1万床、達成率73%)▽介護老人保健施設約1・7万床(同約2・7万床、62%)▽グループホーム約2・3万床(同約2・4万床、98%)▽介護型有料老人ホーム約0・4万床(同約1・4万床、31%)--だった。
なお、計画策定段階で医療療養病床などへの転換方針の周知が不十分だった介護療養病床を含めると、約12・4万床の計画に対し、実績は約5・6万床で、達成率は45%になる。【佐藤浩】
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※06~08年度の計画。長崎は計画が0床のため除外
北海道 66
青森 157
岩手 96
宮城 74
秋田 119
山形 113
福島 84
茨城 60
栃木 83
群馬 138
埼玉 89
千葉 49
東京 44
神奈川 54
新潟 87
富山 86
石川 55
福井 100
山梨 79
長野 69
岐阜 89
静岡 66
愛知 60
三重 74
滋賀 53
京都 39
大阪 64
兵庫 80
奈良 99
和歌山 70
鳥取 128
島根 121
岡山 81
広島 88
山口 74
徳島 100
香川 76
愛媛 167
高知 99
福岡 83
佐賀 96
長崎 --
熊本 93
大分 105
宮崎 80
鹿児島 184
沖縄 167
全国 71
毎日新聞 2009年9月11日 東京朝刊