07年7月から移転整備を進めてきた県立加古川病院(加古川市加古川町粟津)が11月1日、同市神野町神野で「県立加古川医療センター」としてオープンする。救命救急センターを併設するほか、糖尿病などの生活習慣病に対応する高度な医療を提供。東播磨地域の3次救急医療体制が整う。
1963年に建設された現施設が老朽化し、狭くなったことに伴い、新施設の建設を進めてきた。当初は今年度早期の開院を予定していたが、施工業者が破綻(はたん)した影響で完工が大幅に遅れた。
敷地は約4万1800平方メートル。建物は免震構造の地上6階地下1階延べ約3万2000平方メートル。自家発電や貯水設備が整っており、災害時の拠点病院として、ライフラインが断たれても最低3日間は機能を維持できる。敷地内にはヘリポートも設けられた。
診療機能として生活習慣病に対する医療、がんなどの緩和ケア、感染症や神経難病医療などを提供する。診療科目は25科。心臓血管外科、循環器内科など8科を新設した。総病床数は353床(現311床)。内訳は一般病棟290床、救命救急センター30床、緩和ケア病棟25床、感染症病棟8床。
外来診療は11月6日から。開院に伴いJR加古川駅北口や南口(新在家経由)、神野駅からの神姫バスの路線新設や、既存路線のう回ルートが確保された。【成島頼一】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2009年9月12日 地方版