生駒市の新市立病院への病床配分を巡って対立していた県と県医師会が約7カ月ぶりに和解する方向になった。「県地域医療等対策協議会」は、医師会推薦委員が辞任届を出し、開催できない状況に陥っていたが、8月下旬に荒井正吾知事と塩見俊次・県医師会長が会談。医師会側が委員を出して14日から再開されることになった。
今年2月、県医療審議会(会長・塩見会長)が認めなかった生駒市の新市立病院への病床配分(210床)を、県が認めたことに医師会が反発。協議会や審議会の医師会推薦の委員が一斉に辞任届を出した。
県は委員が確保できないため、協議会を開けず、そこで審議される予定だった医療計画策定の見通しが立たなくなっていた。
県や塩見会長によると、荒井知事と塩見会長の会談を機に、県は昨年度末で任期が切れた協議会の医師会推薦委員を再任し、委員側もこれを受け入れたという。審議会についても、塩見会長が委員の意見を聞き、辞任届を取り下げる方向で検討する。塩見会長は「県の医療を考えると、今のような状態は好ましくない。意見交換し、了解しあえたと思う」と話している。【阿部亮介】
毎日新聞 2009年9月12日 地方版