日田市上津江振興局で11日、久留米大学病院高度救命救急センター(福岡県久留米市)の「ドクターヘリ」訓練があった。救急現場に医師と看護師を送り込み、搬送しながら治療を始めるシステムだが、離島やへき地の要請率は1・24%(07年の場合)と低く、「要件さえ満たせば、遠慮なく出動要請を」(坂本照夫センター長)と過疎地での啓発活動となった。
日田市の運航実績は06年度9件、07年度16件と増え、今年度は半年間で既に15件に達した。へき地や遠隔地からの出動要請は少なく「啓発不足があるのでは」とセンターと市地域保健課とがアピールのため企画した。
訓練は振興局、広域消防本部、診療所などが参加。急患が発生したとしてセンターに出動要請し、あっという間にヘリが広場に降り立った。坂本センター長は「運航は年間約400件。地域格差が医療格差にならないよう医療の空白時間を短縮して重篤化を減らし、助かる命は助けたい」と話す。【楢原義則】
毎日新聞 2009年9月12日 地方版