【北京=高橋哲史】中国税関総署は11日、8月の輸出が前年同月比23.4%減の1037億700万ドル(約9兆4000億円)になったと発表した。10カ月連続のマイナスで、減少率は7月の23.0%よりわずかに拡大した。米欧の景気後退で中国の輸出が急速に持ち直すのは難しい状況。緩やかな回復基調にある中国経済の先行きにはなお不透明感が残る。
8月の輸入は17.0%減の879億9500万ドルだった。輸出と同じ10カ月連続のマイナスで、減少幅は7月の14.9%より広がった。公共投資の拡大や自動車販売の好調による国内生産の回復で部品や原材料の輸入は持ち直しつつあるものの、個人消費はなお力強さに欠けており、内需拡大のテンポは緩やかだ。
中国では部品や原材料を輸入し、それを国内で組み立てて輸出する加工貿易が中心だ。輸入は輸出の先行指標とみられている。8月に輸入の減少幅が拡大したことは、輸出の不振が長期化する可能性を示唆している。温家宝首相は10日に「輸出は減る可能性がある」と指摘している。
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