シャンパーニュの週末

2008-10-14

シャンパーニュの週末④エペルネのショコラティエ、ヴァンサン・ダレ(Vincent Dallet)

Champagne69エペルネのショコラティエ、ヴァンサン・ダレ(Vincent Dallet)

フランスを中心とした世界のトップクラスのパティシエ、ショコラティエが加盟しているルレ・デセール・インターナショナル(Relais Desserts International)にも選ばれ 、Le Club des Croqueurs de Chocolatでもフランス国内のベスト100のショコラティエにも選ばれています。

Champagne49お店の奥はサロン・ド・テになっています。
Champagne53マカロンも美味しく、
Champagne50ケーキも有名で、地元のお客さんで溢れていました。
Champagne52ガトー・サレ。
Champagne51

Champagne71ショコラティエ自ら応対されていました。マダムも感じが良かったです。
Champagne174手前が有名なエペルネの石畳という名前のショコラLes Paves D'Epernay
Champagne176シャンパーニュのガナッシュとヘーゼルナッツのプラリネ、ハーブが効いています。
Champagne175カカオが効いた美味しいショコラでした。









ランスにも支店(Chocolaterie des Sacres)があるそうです。

Patisserie-Chocolaterie Vincent Dallet
26,rue du Général Leclerc
51200 Epernay

Chocolaterie des Sacres
47,cours Jean-Baptiste Langlet
51100 Reims

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2008-10-13

シャンパーニュの週末③エペルネのシャンパーニュ通り

Champagne55 シャンパーニュのぶどう畑の中心地の町エペルネ

小さな町なのですが、住民一人当たりの収入がフランスで最も高いといわれるほどリッチな町です。

その理由は、モエ・エ・シャンドンをはじめとした大手メゾンが集まっているからです。
遅い時間なので人が少ないですが、

Champagne68ここはエペルネで一番の観光スポット、シャンパーニュ通り(Avenue de Champagne)。
モエ・エ・シャンドンをはじめとする名門シャンパーニュ・メゾンが立ち並びます。
Champagne178モエ・エ・シャンドンの向かいにある、エペルネ市庁舎。この建物は、モエ・エ・シャンドンからの寄付だそうです。
Champagne58
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Champagne59ポンパドール夫人、ナポレオンなど、フランスの歴史には欠かせない人物達にも愛されてきた250年にもわたる由緒あるChampagne60メゾン、モモ・エ・シャンドン(Moet & Chandon)

2回ほど訪れましたが、日本人のガイドさんもいらっしゃるし、パリからの日帰りツアーもあるので、おそらく日本人が一番訪れているメゾンだと思います。

総延長100km以上にもおよぶセラーの要所をガイドしてくれます。ここでも試飲のコースは何種類かあります(パリからのバスツアーだとスタンダードな試飲コースだったと思います)。
Champagne61日本で一番有名なモエ・エ・シャンドンの銘柄は、やはりドン・ペリニョンだと思います。
ドン・ペリニョンモエ・エ・シャンドンプレスティージュ・シャンパーニュ(最高級銘柄)であり、実在の人物の名前でもあります。

シャンパーニュの生みの親といわれているドン・ペリニョン修道士の最大の功績は、当時はまだ行われていなかった異なった土地でぶどうのブレンドによる品質の安定化を図ったことです(現在ではぶどうではなく、ワインのブレンドです)。

モエ・エ・シャンドンドン・ペリニョン修道士の功績を称え、ドン・ペリニョン修道士の1936年に作られたプレスティージュ・シャンパーニュドン・ペリニョンです。

Moetモエ・エ・シャンドンのロビー(試飲までの写真は、昨年撮った写真)。内部は、モエ・エ・シャンドンのイメージを裏切らずとても高級感があってお洒落な雰囲気です。
Moet1
Moet2地下3層28キロにもわたる石灰岩のセラーは、薄暗く、ひんやりとしていて、壁はしっとりと濡れています。この冷気と湿気、そしてカビが、シャンパンの熟成に大きな役目を果たすそうです。
貯蔵本数は、企業秘密だそうですが、1億本以上と言われています。
Moet3ルミュアージュ(シャンパーニュの製造過程についてはマム社の記事をご参照下さい)。
Moet5アルファベットの列が、ブレンド情報を記した秘密コードだそうです。
Moet4試飲タイム!
モエ・エ・シャンドンのシャンパーニュは、
モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアルモエ・エ シャンドン・ブリュット・アンペリアル・ロゼモエ・エ・シャンドン・グランヴィンテージ・ロゼなどが有名ですね。
Champagne70シャンパーニュ通りの散策を再開します。

こちらもモエ・エ・シャンドン関係の建物。
Champagne65ヴランケン・ドゥモアゼル(Vranken Demoisell)

Champagne62アール・ヌーヴォーのガラス工芸家、陶器・ 家具のデザイナー、エミール・ガレによってデザインされた、アネモネの花のエッチングボトルのペリエ・ジュエ・ベル・エポックで有名なペリエ・ジュエ(Perrier Jouet)。
Champagne63“気品と格調”をテーマにしたクラシックなスタイルのシャンパーニュ・メゾン、ポル・ロジェ(Pol Roger)。2004年から英国王室御用達です。
フレッシュでフローラル、繊細な泡立ちが魅力の、エレガントなシャンパーニュで有名です。

英国の元首相ウィンストン・チャーチルのお気に入りのシャンパーニュ・メゾンで、チャーチルの名前の入ったこの銘柄はポール・ロジェプレスティージュ・シャンパーニュポル・ロジェ・サー・ウィンストン・チャーチルです。

他の代表銘柄は、ポル・ロジェ・ブリュット・レゼルブポル・ロジェ・ヴィンテージ・ロゼなどです。ちなみにポル・ロジェのセラーはエペルネで最も深く温度が低いそうです。

ウィンストン・チャーチルのシャンパーニュに関する有名な言葉“シャンパーニュは勝利の時に飲む価値があり、敗北の時には飲む必要がある(In victory, deserve it ; in defeat, need it.)”があります。

Champagne671834年創業の映画監督ヒッチコックが愛飲したボアゼル(Boizel)

ボワゼル・シャンパーニュ・ブリュット・レゼルブボワゼル・シャンパーニュ・ジョワイヨ・ド・フランセ・ブリュット・ミレジメ[1995]が代表銘柄です。

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2008-10-12

シャンパーニュの週末②モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュの村々へ

Reims49☆画像をクリックすると拡大されます☆

シャンパーニュAOCを構成する317の村のうち、グラン・クリュは17村だけです。

その内訳は、今回ご紹介するモンターニュ・ド・ランス地区に9村(Silery, Puisieulx, Beaumont-sur-Vesle, Verzenay, Maiily-Champagne, Verzy, Louvois, Ambonnay, Bouzy)、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区に2村(Ay, Tours-sur-Marne)、コート・デ・ブラン地区に6村(Chouilly, Oiry, Cramant,Avize, Oger, Le Mesnil-sur-Oger)です。
Reims50モンターニュ・ド・ランスシャンパーニュ街道を走ります。櫛を通したような、美しいぶどう畑。
Reims51整然と並ぶぶどう畑の美しさは圧巻です。この美しい畑から美味しいシャンパーニュが生まれるのですね。
Reims53日当たりのいいぶどう畑がグラン・クリュです。
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Reims62骨格のあるピノ・ノワールが造られているマイィ・シャンパーニュ村(Mailly Champagne)に到着。
Reims57村の入口にあるマイィ・グラン・クリュ(Mailly Grand Cru)

Reims61シャンパーニュの造り手は、大きく分けて以下のように3種類あります。

①NM(ネゴシアン・マニピュラン)

他社の畑からぶどうを買い付けて自社ブランドを醸造・販売します。多くの人が耳にしたことのある大手シャンパーニュ・メゾンは殆どネゴシアン・マニピュランです。

②RM(レコルタン・マニピュラン)

近年人気が高まっている造り手で、自家栽培のぶどうだけでつくる小規模な生産者です。RM(レコルタン・マニピュラン)は、畑に強い情熱を持ち、ほぼオーガニックに近い農法をとったりと、手間のかかる畑の世話をしています。

小規模だけに生産量は少ないですが、優れたRM(レコルタン・マニピュラン)のシャンパーニュには、大手メゾンを越える味わいを持つ銘柄も多いと言われています。RM(レコルタン・マニピュラン)の人気が高まっているのは、大手メゾンの均一的な味に慣れてしまったシャンパーニュ愛好家たちから、造り手の個性が出ているRM(レコルタン・マニピュラン)のシャンパーニュが支持されているためです。

③CM(コーペラティヴ・マニピュラン)

生産者協同組合。

Reims54マイィ・グラン・クリュは、CM(コーペラティヴ・マニピュラン)です。
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Reims58お店からもぶどう畑を見渡せます。
Reims60お客さんらしき人が誰もいなかったのでお店に入るのに少し躊躇しましたが、感じの良いマダム二人が対応してくれました。

マイィ・グラン・クリュマイィ エクストラ・ブリュットブラン・ド・ノワール(黒からの白という意味で、黒ぶどうだけで造ったシャンパーニュのこと)、2002ミレジム(ヴィンテージ)などを試飲しました。

どのシャンパーニュもそれぞれ美味しく迷ってしまったのですが、結局2002年のミレジム(ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ40%のブラン・ド・ノワール)を数本購入しました。

ドサージュ(デゴルジュマンの後、シャンパーニュの甘さを調整するために加えられる砂糖)が6g(1リットル当たり)でしたが、ドサージュ8gのブラン・ド・ノワールよりもすこし甘みが強く熟した印象の味わいで、こちらの方が気に入りました。

メゾンによってシステムは違うと思いますが、今回の訪れたカーブでの試飲は一杯3-4€で、実際にシャンパーニュを購入した場合には試飲料はかからないシステムでした。
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Reims66風車がランドマークになっている同じくグラン・クリュの村ヴェルズネ(Verzenay)の村が見えてきました。

Reims68ボランジェ(Bollinger)クリュッグ(Krug)クリスタルで有名なルイ・ロデレール(Louis Roederer)のシャンパーニュに欠かせないぶどうが栽培されています。
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Reims71ポメリー(POMMERY)の区画。
Reims72日当たりのいいぶどう畑です。
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Reims74シャンパーニュの美味しさの秘密、石灰質。
Reims75あまりの美しさに、他のドライバー達も皆車を路肩にとめて、ぶどう畑をずっと眺めていました。
Reims78アップダウン、ワインディングロード、変化にとんだドライブは快適です。
Reims79ヴェルジィ(Verzy)。マイィ同様骨格のしっかりしたシャンパーニュが造られる村です。ボランジェクリュッグにとって大切なぶどう畑です。
Reims80花の村だけあって村の入口には綺麗な花が迎えてくれます。
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Reims86トレパイユ村
Reims87なだらかな丘陵は、冷涼な気候でありながらもよく日が当たり、ぶどうを完熟させるようです。
Reims88アンボネ村(Ambonnay)

アンボネ村と次に行くブジー村は、最もしっかりしたピノ・ノワールの産地です。

アンボネ村の南向き斜面は、表土が薄く、チョークの土壌の影響を受けやすいためしっかりしているだけでなく、エレガントなピノ・ノワールが出来るそうです。

この村には、近年人気が出てきている高品質なシャンパーニュを少量生産しているRM(レコルタン・マニピュラン)が多く集まっています。

この村の村長さんであるエリック・ロデズ(Eric Rodez)は、ブルゴーニュ地方のボーヌの醸造学校に学び、その後ローヌなどいくつかのドメーヌでエノロジスト(ぶどうの栽培から、収穫、醸造、びん詰めに至るまで全行程を指揮し監督するスペシャリスト)としての経験を積んだ後、実家を引継ぐまでの間、クリュッグチーフエノロジストとして勤めました。

クリュッグ仕込みの経験を生かし、アッサンブラージュと樽使いにも一家言持っているそう(エリック・ロデス ブラン・ド・ノワール)Reims89
そしてアンボネにあるもう一つの優秀なRM(レコルタン・マニピュラン)エグリ・ウーリエ(Egly Ouriet)。樽使いの名手と呼ばれています。

Reims92畑の改植を行い、最終アッサンブラージュのオプションを増やすことによってさらに複雑味が増したシャンパーニュを造っています。

彼にとって数十ものサンプルからアッサンブージュを決定してゆくのは至福の時なのだそう。

Reims91またワイン・シャンパーニュを格付けしているLes meilleurs vins de France(旧称ル・クラスマン)2007年版でRM(レコルタン・マニピュラン)で初めて三ツ星を獲得したのもエグリ・ウーリエです。

ちなみに2009年度版では大手メゾンで三ツ星が付いているのはボランジェクリュッグサロン(Salon )RM(レコルタン・マニピュラン)ではジャック・セロス(今シャンパーニュ愛好家でこの名前を知らない人はいない程、ここ数年知名度の上がった造り手です)が新たに三ツ星を獲得しました。

Reims90エグリ・ウーリエはシャンパーニュ愛好家から「ピノ・ノワールを作らせたら右に出る物はいない、ピノ・ノワールの魔術師」とまで言われ、 ジャック・セロス とともにRM(レコルタン・マニピュラン)シャンパーニュ二大巨頭とまで呼ばれています。

人気があるものとしては、エグリ・ウーリエBrut Tradition Grand Cruブリュット・トラディション・グラン・クリュエグリ・ウーリエ・ブリュット・ロゼブリュット・ミレジム[2000]などです。
Reims93ブジー村(Bouzy)
多くのメゾンがプレスティージュ・シャンパーニュ(最も優れたぶどうから造られたワインのみを使ったシャンパーニュ。基本的にヴィンテージ・シャンパーニュですが、ノン・ヴィンテージのものもあります)用にこの村のピノ・ノワールを使用しているそうです。

RM(レコルタン・マニピュラン)ブジー村に1800年代から居を構えているポール・バラ(Paul Bara)ブラン・ド・ノワールはとても人気があります。

ポール・バラは、この村の南斜面の絶好の場所に30もの区画を所有していて、畑での作業は、必要な際に必要量のみ化学薬品を用いるラ・リュット・レゾネ(減農薬農法)で行う。また果汁は一番搾りのキュヴェのみを使用し、プルミエ・タイユ(2回目の搾汁)は、NM(ネゴシアン・マニピュラン)へ売ってしまうそうです。

シャンパーニュ・グラン・クリュ・ブージー・レゼルブ・ブリュットなどが有名です。Reims98
Reims100ジャック・セロスのカーヴは住所によるとここなのですが、看板がないので本当にここなのかは確認できませんでした。
Reims103ルイ・ロデレールの畑。
Reims104_2さすが日当たりの良い素晴らしい環境です。
Reims105テタンジェ(Taittinger) の畑も近くにありました。
Reims108エペルネ(Epernay)に向かいます。

 

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2008-10-11

シャンパーニュの週末①世界第3位のマム社とフジタの礼拝堂へ

Champagne_2週末にシャンパーニュ地方に行ってきました。

シャンパーニュ地方の中心都市ランスまでは、ブリュッセルから片道2時間です。ちなみに日本ではシャンパン、シャンペンとも呼びますが、正式には(フランス語では)シャンパーニュと呼びます。

ご存知の方も多いと思いますが、シャンパーニュと名乗れるのは、シャンパーニュ地方で収穫された特定のぶどう(特にピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ)を使い、シャンパーニュ製法で造られている発泡性ワインだけです。

シャンパーニュ地方観光の拠点は、ランスと、モエ・エ・シャンドンなどの大手のシャンパーニュ・メゾンの本拠地で、人口約2万人とこじんまりした町ながら住民一人当たりの収入がフランスで最も高いといわれているエペルネという町です。

Champagne2まずはランスマム社(Mumm社)へ。
マム社のメゾンは事前予約なしで訪問出来ます。

マム社の年間生産量は約800万本、世界100ヵ国以上に輸出されており、モエ・エ・シャンドンヴーヴ・クリコに続く第3位のシャンパーニュ・メゾンです。

Champagne34手入れの行き届いた綺麗な庭。
Champagne3入口にはフランスの勲章“レジオン・ドヌール”にならった白地に赤いリボンがシンボルのマム社の売り上げの75%を占めるコルトン・ルージュが飾ってあります。

マム社はF1のオフィシャルスポンサーで、コルトン・ルージュはFIのシャンパンファイト(優勝した選手たちがお互いにシャンパンをかけて祝う行為)に使うシャンパーニュです。

ガイドの方にカーヴを案内してもらった後、最後にシャンパーニュを試飲できるのがカーヴ訪問のお楽しみ。マム社の場合は最後の試飲を3種類のコース(試飲できるシャンパーニュの種類や数が異なります)から選べます。今回はグラン・クリュのシャンパーニュを3種類(Mumm de Cramant, G.H. MUMM Gran Cru, G.H. MUMM Rose)いただけるグラン・クリュコースにしました。
Champagne4ツアーが始まるまでここで待ちます。
Champagne5シャンパーニュが描かれている素敵な絵がいくつか掛けられていました。
Champagne6
Champagne7マム社のシャンパーニュは映画「カサブランカ」やヘミングウエイの「日はまた昇る」にも登場します。
Champagne8最初に大型モニターのある部屋に通され、マム社の歴史を紹介する10分程のビデオを鑑賞。
Champagne9ぶどう畑は主としてシャンパーニュでも名高い8つのグランクリュの村にあるそうです。

Champagne10シャンパーニュで使用するぶどうの品種を分かりやすく説明してくれます。
ピノ・ノワールは力強さ、ふくよかさ、果実味を与え、ピノ・ムニエは早い時期から複雑性を与えます。シャルドネは、柑橘類、ミネラルなどの香りがあり、酸味とエレガントさを与え、長期熟成を助ける役割があるそうです。

以前にもいくつかシャンパーニュ・メゾンを訪ねたことがありますが、視覚的にも分かり易い見学用ツールが整っていると感じました。

ちなみにシャンパーニュの大まかな製造過程は、以下のようになっています(括弧内はフランス語での呼び方です)。

①収穫(ヴァンダンジュ)

シャンパーニュのぶどうはすべて手摘みで行う規定になっています。

②圧搾(プレシュラージュ)

収穫したぶどうをつぶして、ワインの基となるぶどうジュースにします。ちなみにこの1番搾りのことを「キュヴェ」、「テット・ド・キュヴェ」といいます。
Champagne11③一次発酵(フェルマンタシオン・アルコリック)

伝統的な木樽やステンレスタンクに入れられアルコール発酵させます。

これはステンレスタンクです。
シャンパーニュのベースになるワインが造られます。
Champagne13ステンレスタンクに一つ一つ村名が書かれていました。
Champagne14これはオジェ村のステンレスタンク。
Champagne12_2中は白いタイル作り。

④ブレンド(アッサンブラージュ)

品質の安定と各メゾンの個性を表現する上でとても大切な作業です。品種、畑、生産年度の違いなどによってわけて醸造され第一次発酵を経たワインの原酒を、少人数の責任者によってブレンドし、各メゾンの個性を持つシャンパーニュの素となるワインを造り上げていきます

シャンパーニュは、畑や年号が違うワインのブレンドを許可された、数少ないワインの一つです。ブレンド(アッサンブラージュ)が許可されるのは、シャンパーニュ地方の気候はぶどう栽培には大変厳しく、寒さでぶどうが育ちにくいためです。

ある年は良いぶどうが収穫できても、翌年は収穫量は前年比10%となることもあり得ます。
そのため、不安定な気候の救済措置として葡萄をブレンドすることが許可されました。気候や条件良い年のぶどうをストックしておき、不良年のぶどうにブレンドすることが認められている訳です。

各メゾンはブレンド(アサンブラージュ)によって同じ味わいのシャンパーニュを造る技術を持っています。これは毎年の天候の違いによって味の違うワインをブレンドし、ベースのワインを造り、さらにノン・ヴィンテージに使うリザーブワインの個性の違いを考えながら、同じ味のシャンパーニュを造るという神業的な技術です。

ちなみに、シャンパーニュの生みの親といわれているドン・ペリニョン修道士の最大の功績は、当時はまだ行われていなかった異なった土地でぶどうのブレンドによる品質の安定化を図ったことです(現在ではぶどうではなく、ワインのブレンドです)。

⑤瓶詰め(ティラージュ)

ブレンド(アサンブラージュ)されたワイン“リキュール・ドゥ・ティラージュ”と呼ばれるに酵母と蔗糖(砂糖)を混ぜた液体を加えて瓶詰めし、仮栓します。

Champagne16⑥瓶内二次発酵(ドゥジエム・フェルマンタシオン)

ボトルの中で二度目の発酵が始まりアルコールと二酸化炭素が生まれます。瓶は湿度が高く、低温のカーブでこのように横に寝かせた状態で保管されます。

ノン・ヴィンテージのシャンパーニュは瓶詰め(ティラージュ)後出荷までは最低15ケ月寝かせることが義務づけられています。ヴィンテージ(収穫年)を表記するシャンパーニュは熟成期間がさらに長く定められており、3年間は出荷が認められていません。

実際は、この規定より更に長く熟成させているメゾンが殆どだそうです。

ボトルの中で発酵を終えた酵母は澱となって沈殿します。この酵母のたんぱく質からアミノ酸がワインの中に溶け出し、ワインにふくよかさ、厚みを与えながら熟成が進んでいくそうです。
Champagne18マム社の地下セラーはその全長が25キロメートル、2,500万本のシャンパーニュが貯蔵されているそうです。
Champagne22
Champagne15⑤動瓶(ルミュアージュ)

二次発酵の間に生じ、横に寝かしたボトルの底部に沈殿した澱を、除去しやすいように瓶口に集める工程です。

Champagne21ボトルをピュピトルと呼ばれる穴の開いた板の穴に差し込み、
Champagne19専門の職人さんが毎日1/8づつ左右に回しながら、少しずつ瓶を倒立させていき、澱を瓶口に集めます。
Champagne17_2手作業の場合は澱が瓶口に集まるまでに約3ヶ月を要しますが、ルミュアージュを行う職人さんが減ってきたこともあり、大きなメゾンでは機械によるルミュアージュも行われているそうです。
ちなみにルミュアージュを発明したのは、ヴーヴ・クリコのクリコ未亡人(ヴーヴ・クリコとは“クリコ未亡人”という意味です)。

クリコ未亡人がキッチンのテーブルに穴を開け、逆さまにしたボトルを揺する力を加減しながら澱を落とす方法を考えついたそうで、ヴーヴ・クリコのカーブではそのテーブルが展示されているそうです。今透明なシャンパーニュが飲めるのはクリコ未亡人の発明のお陰ということですね。

⑥澱抜き(デゴルジュマン)

ルミュアージュによって瓶口に集まった澱を取り除く作業。澱がたまった瓶の口の部分だけをマイナス20℃の塩水に漬けて凍らせ、その状態で栓を外すと、澱を含んだ凍った部分のみが飛び出てくる仕組みです。

⑦甘みづけ(ドサージュ)

デゴルジュマンにより減った分を「門出のリキュール」と呼ばれる甘蔗糖とシャンパーニュの古い原酒を混ぜたもので補填します。このときに加えられる砂糖の量が、シャンパーニュの甘口・辛口を決めることになります。

⑧打栓(ブシャーズ)とラベル貼り(エチケット)
打栓(ブシャーズ)後、最低半年は熟成させてから出荷となります。

Champagne20 マム社のトレードマークのコルドン・ルージュは、贈り物として、ボトルに本物のリボンをかけたことから始まったそうです。
Champagne23ツアーも終わりに近づいてきました。
Champagne24最後のスペースではシャンパーニュ造りの器具が、展示されていました。
Champagne25
Champagne26お待ちかねの試飲タイム!
Cramant個人的に一番美味しいと思ったのは、コート・デ・ブラン地区クラマン村(テタンジェなどのブラン・ド・ブランで有名なメゾンには重要なグラン・クリュです)のグラン・クリュのみ使用したブラン・ド・ブラン(シャルドネのみで造ったシャンパーニュ)マム・ド・クラマン・グラン・クリュ

シルクのような繊細で非常になめらかな口当たりの、華やかでエレガントなシャンパーニュでした。今までのシャンパーニュのイメージが変わりました。一本確か58ユーロでした。
Champagne28シャンパーニュの華やかさのせいか、皆楽しそうな表情。

Champagne33ブティック。
Champagne31
Champagne32コルドン・ルージュ
Champagne37マム社から歩いてすぐの場所にある、エコール・ド・パリの画家として名を馳せた藤田嗣治(レオナール・フジタ)が80歳のときにつくったノートルダム・ド・ラ・ペ(平和の聖母)礼拝堂へ。ちなみに彼の洗礼名のレオナールは尊敬するレオナルド・ダ・ヴィンチに由来しています。
Champagne381959年、フジタはランスのサン・レミ聖堂から不思議なインスピレーションを受け、カトリックに改宗します。
Champagne39彼は洗礼親(当時のマム社の社長)とともに、聖母マリアに捧げるロマネスク様式の礼拝堂を建立することを決意しました。教会の設計と装飾はすべてフジタが手がけています。
Champagne44
Champagne45
Champagne421966年の6月から8月にかけて礼拝堂のフレスコ画が描かれました。

Champagne4380歳を過ぎての初めてのフレスコ画への挑戦で、この礼拝堂のためにイタリアを訪れて技法を学んだそうです。
Champagne40
Champagne41真ん中の白髪の男性はフジタです。

たった3ケ月で描いた受胎告知、キリスト降誕、キリスト洗礼、王座のキリスト、十字架を背負うキリスト、最後の晩餐、キリスト降下、キリストの復活など壁ぎっしりに描かれていたフジタの鮮やかな色を使い、迫力のある壮大なフレスコ画には圧倒されました。ステンドグラスもとても綺麗でした。
Champagne46シャンパーニュ地方のグラン・クリュの3つの地区の1つモンターニュ・ド・ランス(ランスの山)に向かいます。




 

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