☆画像をクリックすると拡大されます☆
シャンパーニュAOCを構成する317の村のうち、グラン・クリュは17村だけです。
その内訳は、今回ご紹介するモンターニュ・ド・ランス地区に9村(Silery, Puisieulx, Beaumont-sur-Vesle, Verzenay, Maiily-Champagne, Verzy, Louvois, Ambonnay, Bouzy)、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区に2村(Ay, Tours-sur-Marne)、コート・デ・ブラン地区に6村(Chouilly, Oiry, Cramant,Avize, Oger, Le Mesnil-sur-Oger)です。
モンターニュ・ド・ランスのシャンパーニュ街道を走ります。櫛を通したような、美しいぶどう畑。
整然と並ぶぶどう畑の美しさは圧巻です。この美しい畑から美味しいシャンパーニュが生まれるのですね。
日当たりのいいぶどう畑がグラン・クリュです。
骨格のあるピノ・ノワールが造られているマイィ・シャンパーニュ村(Mailly Champagne)に到着。
村の入口にあるマイィ・グラン・クリュ(Mailly Grand Cru)。
シャンパーニュの造り手は、大きく分けて以下のように3種類あります。
①NM(ネゴシアン・マニピュラン)
他社の畑からぶどうを買い付けて自社ブランドを醸造・販売します。多くの人が耳にしたことのある大手シャンパーニュ・メゾンは殆どネゴシアン・マニピュランです。
②RM(レコルタン・マニピュラン)
近年人気が高まっている造り手で、自家栽培のぶどうだけでつくる小規模な生産者です。RM(レコルタン・マニピュラン)は、畑に強い情熱を持ち、ほぼオーガニックに近い農法をとったりと、手間のかかる畑の世話をしています。
小規模だけに生産量は少ないですが、優れたRM(レコルタン・マニピュラン)のシャンパーニュには、大手メゾンを越える味わいを持つ銘柄も多いと言われています。RM(レコルタン・マニピュラン)の人気が高まっているのは、大手メゾンの均一的な味に慣れてしまったシャンパーニュ愛好家たちから、造り手の個性が出ているRM(レコルタン・マニピュラン)のシャンパーニュが支持されているためです。
③CM(コーペラティヴ・マニピュラン)
生産者協同組合。
マイィ・グラン・クリュは、CM(コーペラティヴ・マニピュラン)です。
お店からもぶどう畑を見渡せます。
お客さんらしき人が誰もいなかったのでお店に入るのに少し躊躇しましたが、感じの良いマダム二人が対応してくれました。
マイィ・グラン・クリュ、マイィ エクストラ・ブリュット、ブラン・ド・ノワール(黒からの白という意味で、黒ぶどうだけで造ったシャンパーニュのこと)、2002ミレジム(ヴィンテージ)などを試飲しました。
どのシャンパーニュもそれぞれ美味しく迷ってしまったのですが、結局2002年のミレジム(ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ40%のブラン・ド・ノワール)を数本購入しました。
ドサージュ(デゴルジュマンの後、シャンパーニュの甘さを調整するために加えられる砂糖)が6g(1リットル当たり)でしたが、ドサージュ8gのブラン・ド・ノワールよりもすこし甘みが強く熟した印象の味わいで、こちらの方が気に入りました。
メゾンによってシステムは違うと思いますが、今回の訪れたカーブでの試飲は一杯3-4€で、実際にシャンパーニュを購入した場合には試飲料はかからないシステムでした。
風車がランドマークになっている同じくグラン・クリュの村ヴェルズネ(Verzenay)の村が見えてきました。
ボランジェ(Bollinger)、クリュッグ(Krug)、クリスタルで有名なルイ・ロデレール(Louis Roederer)のシャンパーニュに欠かせないぶどうが栽培されています。
ポメリー(POMMERY)の区画。
日当たりのいいぶどう畑です。
シャンパーニュの美味しさの秘密、石灰質。
あまりの美しさに、他のドライバー達も皆車を路肩にとめて、ぶどう畑をずっと眺めていました。
アップダウン、ワインディングロード、変化にとんだドライブは快適です。
ヴェルジィ(Verzy)。マイィ同様骨格のしっかりしたシャンパーニュが造られる村です。ボランジェ、クリュッグにとって大切なぶどう畑です。
花の村だけあって村の入口には綺麗な花が迎えてくれます。
トレパイユ村。
なだらかな丘陵は、冷涼な気候でありながらもよく日が当たり、ぶどうを完熟させるようです。
アンボネ村(Ambonnay)。
アンボネ村と次に行くブジー村は、最もしっかりしたピノ・ノワールの産地です。
アンボネ村の南向き斜面は、表土が薄く、チョークの土壌の影響を受けやすいためしっかりしているだけでなく、エレガントなピノ・ノワールが出来るそうです。
この村には、近年人気が出てきている高品質なシャンパーニュを少量生産しているRM(レコルタン・マニピュラン)が多く集まっています。
この村の村長さんであるエリック・ロデズ(Eric Rodez)は、ブルゴーニュ地方のボーヌの醸造学校に学び、その後ローヌなどいくつかのドメーヌでエノロジスト(ぶどうの栽培から、収穫、醸造、びん詰めに至るまで全行程を指揮し監督するスペシャリスト)としての経験を積んだ後、実家を引継ぐまでの間、クリュッグでチーフエノロジストとして勤めました。
クリュッグ仕込みの経験を生かし、アッサンブラージュと樽使いにも一家言持っているそう(エリック・ロデス ブラン・ド・ノワール)。
そしてアンボネにあるもう一つの優秀なRM(レコルタン・マニピュラン)エグリ・ウーリエ(Egly Ouriet)。樽使いの名手と呼ばれています。
畑の改植を行い、最終アッサンブラージュのオプションを増やすことによってさらに複雑味が増したシャンパーニュを造っています。
彼にとって数十ものサンプルからアッサンブージュを決定してゆくのは至福の時なのだそう。
またワイン・シャンパーニュを格付けしているLes meilleurs vins de France(旧称ル・クラスマン)2007年版でRM(レコルタン・マニピュラン)で初めて三ツ星を獲得したのもエグリ・ウーリエです。
ちなみに2009年度版では大手メゾンで三ツ星が付いているのはボランジェ、クリュッグ、サロン(Salon )。RM(レコルタン・マニピュラン)ではジャック・セロス(今シャンパーニュ愛好家でこの名前を知らない人はいない程、ここ数年知名度の上がった造り手です)が新たに三ツ星を獲得しました。
エグリ・ウーリエはシャンパーニュ愛好家から「ピノ・ノワールを作らせたら右に出る物はいない、ピノ・ノワールの魔術師」とまで言われ、 ジャック・セロス とともにRM(レコルタン・マニピュラン)シャンパーニュ二大巨頭とまで呼ばれています。
人気があるものとしては、エグリ・ウーリエBrut Tradition Grand Cruブリュット・トラディション・グラン・クリュ、エグリ・ウーリエ・ブリュット・ロゼ、ブリュット・ミレジム[2000]などです。
ブジー村(Bouzy)。
多くのメゾンがプレスティージュ・シャンパーニュ(最も優れたぶどうから造られたワインのみを使ったシャンパーニュ。基本的にヴィンテージ・シャンパーニュですが、ノン・ヴィンテージのものもあります)用にこの村のピノ・ノワールを使用しているそうです。
RM(レコルタン・マニピュラン)のブジー村に1800年代から居を構えているポール・バラ(Paul Bara)のブラン・ド・ノワールはとても人気があります。
ポール・バラは、この村の南斜面の絶好の場所に30もの区画を所有していて、畑での作業は、必要な際に必要量のみ化学薬品を用いるラ・リュット・レゾネ(減農薬農法)で行う。また果汁は一番搾りのキュヴェのみを使用し、プルミエ・タイユ(2回目の搾汁)は、NM(ネゴシアン・マニピュラン)へ売ってしまうそうです。
シャンパーニュ・グラン・クリュ・ブージー・レゼルブ・ブリュットなどが有名です。
ジャック・セロスのカーヴは住所によるとここなのですが、看板がないので本当にここなのかは確認できませんでした。
ルイ・ロデレールの畑。
さすが日当たりの良い素晴らしい環境です。
テタンジェ(Taittinger) の畑も近くにありました。
エペルネ(Epernay)に向かいます。