社会
西宮北口駅「幻の線路」 廃線前の写真見つかる
かつての9号線で今津線に入る梅田発仁川行き臨時急行=1967年6月、阪急電鉄西宮北口駅(奥田さん提供) |
廃止された引き込み線の思い出を語る奥田さん=西宮市内 |
“幻の線路”が見つかった。かつて、阪急西宮北口駅北西にあった神戸線と今津線の連絡線「9号線」に入る電車の写真を、神戸市須磨区の奥田英夫さん(59)が保管していた。1968(昭和43)年に廃線になった後、駅ビル開発が進み、阪急電鉄の関係者ですら「詳細は分からない」としていただけに、存在を証明する貴重な1枚。奥田さんは「今は面影が全くないだけに、残っていてよかった」と振り返る。(広畑千春)
現在の9号線は、当時と反対の同駅北東にあり、宝塚発梅田行き準急が通っている。当時の9号線で、奥田さんが写していたのは戦後、阪神競馬場の競馬開催時だけ運行された梅田発仁川行き「臨時急行」。先頭車両に馬の絵が入ったプレートが取り付けられ「競馬臨急」と呼ばれていた。
神戸方面からは直接9号線に入ることができたが、梅田方面からは、西宮北口駅の神戸線下りホームに入った後、西側の昭和園踏切付近でスイッチバックし、9号線に進入していたという。
戦前の1933(昭和8)年から約4年後までは、特別列車「神戸女学院貸切車」が、上筒井駅(後に三宮)と神戸女学院の最寄りの門戸厄神駅間で1日2本、この線路を使って運行。戦後は「競馬臨急」のほか、三宮-宝塚間の普通電車や、京都-宝塚間の「歌劇特急」も入線していたという。
9号線は駅舎改修工事に伴い、68年2月に廃線。その後も通勤時間帯に宝塚-西宮北口間で折り返し運転する電車のホームとして利用されていたが、同年4月に廃止され、跡地には駅ビルが建てられた。84(昭和59)年には、神戸線と今津線が交差していた「ダイヤモンドクロス」もなくなった。
阪急電鉄はかつての9号線について「あったのは確かだろうが、詳細は不明」とする。奥田さんは「特急待ちのホームで偶然見かけ、急いでシャッターを切った。一番西側のホームで、乗り換えのときすごく遠くて苦労したのを覚えている。写真が9号線の存在証明になればうれしい」と話している。
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