2009年9月12日11時39分
兵庫県出身で元在日朝鮮人3世の脱北者金潤さん(46)が11日、東京都内で記者会見し、了承なく実名入りで産経新聞に話が引用され、北朝鮮に残る家族に危険が及ぶ恐れがあるとして、同紙に抗議したことを明らかにした。
金さんは韓国在住。金さんによると、在韓日本人団体での講演の打ち合わせという前提で、7月に産経新聞ソウル支局長と会った。その際、取材との説明はなく、その後も連絡のないまま、8月1日付の同紙コラムに、金さんの話が掲載された。北朝鮮批判や金正日総書記に関するうわさに触れた内容だった。
その後、金さんが北朝鮮に残る妻と子ども2人の安否を確認したが、当局の監視対象になっていて連絡がとれないという。金さんは「今後、家族がどうなるか分からない。私の身も危ない。本人の意思で話したものではないことを産経新聞は明らかにしてほしい」と訴えた。
金さんは14歳の時、祖父と北朝鮮に渡ったが、昨年1月に1人で脱北。同4月に韓国に渡った。既に実名が報じられているため、実名で記者会見をしたとしている。
産経新聞社広報部の話 金潤氏の主張および抗議は伺いました。事実関係を確認の上、対処します。