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「アメリカは果たして日本にとって真の友人か」  石原慎太郎都知事 ニュース(173012)」
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今日11月5日の産経新聞第1面「日本人よ」の欄で、石原慎太郎東京都知事が「アメリカは真の友人か!」とアメリカについて苦言を投げていました。
何事もアメリカの風に靡いている日本の風潮と日米同盟について再考を促す記事です。
左傾の人にも受け入れられると思います。
 
以下産経新聞から引用
 日本一の4,000mの滑走路を持ちながらほとんど使われていない横田の基地を平時には共用使用しようという日本側の移行を受けての協議がこの1年間両国の実務者間で行われてきたが、当初のロードマップに謳われていた結論までの1年間の期限がせまってきた今、不本意な状況が生まれつつある。
 そもそもこの案件は小泉首相が私の依頼を受けてテキサス・クロフォードでのブッシュ大統領とさしでの話し合いの折に、日本の国力維持のために、有事の際は別にして、普段は首都圏への空のアクセスを拡大するために民間機にも使用させたいと申し入れ、両者の基本的合意のもとに始まった交渉なのだ。故にも他の基地問題とは本質が違う。
 世界全体が時間的空間的に狭小となった今日、空からのアクセスは国際関係の維持発展のために不可欠のものだ。特に集中集積が極端に進んでいる日本の首都圏には多くのビジネスチャンスが存在し、それを目指して現在40を超す国が新規の乗り入れを待っているが、成田が依然として不完全なままどうにも実現されずにいる。
 故にも羽田の拡張が必要なので6年前政調会長だった亀井静香氏と計って強引に予算措置をし第四滑走路の建設を決め後3年で完成するはずが、それにしてもなお首都圏の航空需要は満たされるものではない。だから、有事の際の兵站基地として普段は空きの横田の基地を、平時には民間と共用させて欲しいという申し込みをしたのだ。
 文明工学の原理として、人間を含めて物や情報の流通は社会発展に不可欠な要因だ。しかし日本の政府はそうした原理に疎く、海路による物質の流通の基地の総量ではシンガポールや釜山にはるかに遅れをとってしまった。ちなみに世界一の扱い量を誇るシンガポールの波止場での作業のハードもソフトもともに全て日本製なのに。
 そしてこのままではさらに、世界経済を左右している株式市場は、機械化がすすみ昔からの立ち会い作業が姿を消してしまった今、アジアの中心拠点は上海等の他国に移りつつある。日本の政治家や官僚がどうしてこういう問題に危機感を持たずにいるのか不思議、というより怠慢以外の何ものでもあるまい。
 横田の問題は議員時代から私の関心事だったが、知事になってようやく世の感心をそそることが出来、小泉総理の理解もあってようやく日米間の協議事項とはなった。しかし小泉氏は総理の座を去りブッシュ氏もわずかな任期を残すのみとなったいま、両国の首脳の正統な文明認識のもとに始まった、日本の国力保持のための協議の行く末が怪しいものとなってきている。
 日本側の関係者、外務、国土交通、防衛の3省の姿勢は一枚岩となっているが、相手のアメリカ側の当事者の役人たちが合意した首脳の大意を一向に拝せず、役人の通弊として現場での利益を守ることに汲々として筋の通らぬ理屈を構え抵抗している。
 共用使用のための具体的な提案としてターミナルの位置やランプの設定を議論しても、元の在日司令官などを含むメンバーのアメリカ側のコンサルタント会社までが、その虚偽性を指摘するようないいがかりでいちいち事を退けにかかってくる。驚くことは、当事者のやり取りの中で、横田は我々にとって太平洋戦争の遺産(レガシー)だなどという言葉が発せられ、彼らの意識が未だに何でしかないのかがうかがわれる。 
 そもそも現在まで続いている実例としてアメリカがその報告の中で日本においては致命的な価値を持つ空軍基地として岩国、嘉手納とならぺて高く評価していた三沢の飛行場さえも、ソビエト機の領空侵犯に日米してスクランブルかけていたかっての冷戦時代にしてなお軍民共用使用していたのだ。そうした事実がありながら、彼らが横田は部分的にも手放さないという姿勢は今日の世界情勢の中での日米関係の明日を毀損しかけぬものだ。それに、アメリカがしきりに持ちかけているオープンスカイという要求にも矛盾する姿勢ではないか。
 以前、沖縄で海兵隊隊員たちがいたいけな小学生の女の子をレイプするといういまわしい事件の最中、一方では同じ沖縄の尖閣諸島の中に中国の活動家たちが不法出動し緊張が高まった時、アメリカのメディアが時のモンデール大使に、これ以上緊張が高まり、尖閣で実力行使の摩擦が起こった差、日米安保は発動されるのかと質したら彼が言下にNOと答えたことに私は驚き、それがアメリカの本音なら日米安保は無意味であり、日米関係は失われることになろうと本誌の「正論」欄に記し、アメリカ側でも同調の強い論が起こってモンデールは更迭された。あの時私以外の日本の政治家が同じ発言をしなかったのも心外だったが、日本の国力維持のために不可欠な横田の問題についても日米両国の政治家が両国の首脳の合意の基礎に何があったかを斟酌し、アメリカが真の友人として、ほとんど使ってもいない空港の使用を割愛すべきだという正当な論を大幅に起こしてもらいたいものだ。この問題を踏まえて我々は、アメリカは果たして日本にとって真の友人かどうかを問うべきに違いない。


最終更新日  2007.11.06 20:01:27
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