この人物のオモテとウラ　がん克服でバッシングにも勝った

●２０年ぶりにお宝ＤＶＤを発売

　かつて一世を風靡（ふうび）したタレント・山田邦子（４９）の看板番組「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」が初めてＤＶＤ化される。

　フジテレビ開局５０周年記念企画として、１０月２１日にポニーキャニオンから発売されるこのＤＶＤは、３枚組で総映像時間は７時間８分に及び、価格は１万２９０円。同番組は水曜午後９時から１時間放送され、ドラマ全盛の当時としては異例の最高視聴率２０．４％を記録した大人気バラエティーだ。

　山田は最盛期に週に１６本のレギュラー番組を抱え、８８年から８年連続でＮＨＫ「好感度女性タレント」ナンバーワン。９０年には支持率２０％を超え、好感度タレントの代名詞ともなった。

　１９６０年、東京都板橋区生まれ。川村短期大学に入学してから、落語家を目指して早稲田大学の寄席演芸研究会へ入部。「可愛家マッハ」という芸名で活躍したが、向いていないと漫談家への転向を決意した。

　デビューのきっかけは「笑ってる場合ですよ！」（フジ）の人気コーナー「ブスコンテスト」。バスガイドのネタなどで大きな注目を集めた山田だったが、すでに大手建設会社への就職も決まっていた。芸能界に入ることを反対していた父を、関口宏が懸命に説得し、最終的に認めてもらったという逸話もある。

　８１年にはドラマ「野々村病院物語」（ＴＢＳ）で女優デビュー。お笑いタレントに比重を移し、「オレたちひょうきん族」（フジ）に歌モノマネなどで番組初期から末期まで出演。「クイズ！年の差なんて」（フジ）や「バナナ大使」（ＴＢＳ）などが人気番組になり、「邦子がタッチ」（テレビ朝日）など自身の名前が入った冠番組を持つようになった。

　ところが好事魔多し。９５年スタートのＴＢＳ「山田邦子のしあわせにしてよ」では視聴率が取れず、これまでの好感度ナンバーワンの反動として、バッシングが起こった。また同番組のプロデューサーとの不倫が報道され、芸能リポーターに追い回されることに。

　００年には騒動になった相手の番組制作会社社長と結婚したが、レギュラー番組の打ち切りが続き、０１年にはレギュラーが２本と激減（そのうち１本は教育テレビ）。

　そんな山田が再び注目を集めるようになったのは０７年。乳がんの手術を受けていたことを告白し、乳がん撲滅を掲げて講演活動も開始した。これで徐々に女性ファンが戻ってきた。

　テレビ界の寵児（ちょうじ）だった山田のお宝ともいえる映像オンパレードが「やまだかつてないＤＶＤ」。目玉は、山田と横山知枝の女性デュオ、Ｗｉｎｋをまねた「やまだかつてないＷｉｎｋ」の「さよならだけどさよならじゃない」。横山が舞台に専念しているため、特に貴重だ。

“なつメロ”山田の人気復活か？　果たして第２の黄金期が来るのか？

（日刊ゲンダイ2009年9月9日掲載）