南原ちづる(超電磁ロボ コン・バトラーV)
題名:わが青春の南原ちづる
どうも。せっかくのご指名なのに、いきなりのツッコミで恐縮ですが、3コマ目の「32話」はきっと「第31話 電磁を奪う強敵モグマ」の間違いですね。なんせ『コン・バトラーV』のLDには信じられないことに「ちずるチャプター」というものがついておりまして、32話では「ちずるのしりもち」(笑)が該当です。セットしますと、唐沢さんが7コマ目でご指摘のパンチラが出てくるという20世紀のスグレモノ。DVDになっても付けて欲しいものです。
第32話「猛威!恐怖のツララ弾」では、ちづるが凍結した路面で何度もすっころぶパンチラシーンが、そのチャプターです。両手が凍傷で紫色の手袋みたいになっていて、早く手当をしないと両手が腐ってしまうというのがすげー痛々しく、これがまた何ともいえない気持ちのする回です。で、そういう演出は、やっぱりというかで、斧谷稔すなわち富野監督の作品だったりするわけでした。
31話は、これもちづるファン必見の回ですよね。LDチャプターは「ちずると知恵のシャワーシーン」という信じられないものが(笑)。この回は、知恵ちゃんが、レオタード姿で体操の特訓中の「ちづるお姉ちゃん」にあこがれて密着取材をするんですね。汗かいてジュース飲むちづるも、ポイント高い。そして、「シャワーで鼻歌」のちづるに突撃質問で取材した驚愕のデータは!
「好きなものは、お芋にケーキ。好きな花はバラで、音楽はシャンソン。スポーツは体操とフェンシング、バスト84、ウエスト60、眠ると歯ぎしり。色はピンク」
ああ、これ放映当時にもメモした記憶があるぞ(笑)。こういう描写があるってことは、視聴者の大きいお兄さん&スタッフのおじさんたちは、ちづるの詳細データに興味津々だったという証拠に他ならないです。やはり愛されていたヒロインだったんですね。
それで、唐沢さんは「ちづる」と表記されておりまして、「同志!」(ひしっ)と思いました。サブタイトルを転記するときは「ちずる」でも、自分の思いをこめた文章では「ちづる」表記が正しいちづる道です。なんのこっちゃ。この31話では、いわゆる大王道の「ニセのラブレターが誤配で大騒動」があるのですが、知恵のニセ署名では、なんとビックリ。画面にちゃんと「ちづる」と出るではありませんか。スタッフの中にもこだわっていた方がいらしたんですね。
拙著「アニメ新世紀王道秘伝書」(徳間書店刊)では省略しましたが、このこだわりには下品な理由があるんです。つまり、「ちづる」だと漢字は「千鶴」ですけど、「ちずる」だと「千ずる」で、そりゃマズイだろーと(笑)。確か富沢雅彦さんが同人誌「PUFF」で指摘されてたことだと思いますが、これにどきっとして私らも「ちずる」と書くのをやめたということは、まあ誰しもやっぱり心の中にそういう部分を抱えていたってわけです。深くは説明しないけど。
ちづるを産み出したキャラクターデザインの安彦良和さん、当時はライディーン後半から線が非常に走るようになっていまして、特にアクションポーズのちづるは格好良くてしなやかで、パンチラも少しあったかな……太股の肉感的な感じといい、元気な感じがして、すごくキュートでしたね。個人的には、こういう少ない線でいろんなことを感じさせてくれる絵が好きですね。カゲとかハイライトとかいっぱいつけるのは、一見丁寧に見えても、安彦ちづるのように、ざっざっとした線で描かれた魅力には届かないものがあるのではないのかな。
安彦作画監督回は2回しかないんですが(たぶん『ろぼっこビートン』の準備中だったため)、第1話のラストの方が安彦原画でして、最後の笑顔とか実に可愛くて、自著でも扱っている回と違うのに、わざわざそのカットを探してカラーページに載せたくらいです。コクピットで苦しむとことかもついでに掲載したりして。役得、役得。
話は尽きませんね。唐沢さん、またいずれ語り明かしましょう。
【初出:単行本「唐沢なをきのうらごし劇場」 脱稿 2000.05.15】※そういうわけで、画面内を尊重して「ちづる」表記にしていたりする私です。ちなみにDVDでは「ちずるチャプター」はありませんでした。LD捨てられない……トホホ。
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