福岡市は11日に開かれた市議会一般質問で、新型インフルエンザについて、市内で感染する患者は29万-44万人、入院患者は4千-1万1千人、重症患者は400-2100人に達するとの推計を明らかにした。
推計は各自治体の医療態勢確保のため、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部がまとめた「流行シナリオ」に沿って算定した。「国民全体の20-30%が発症」などのシナリオに市内の人口を当てはめた。市保健予防課は「うがい、手洗いの励行を」と感染予防を呼びかけている。
市によると、市内の1週間当たりの新型インフル集団発生件数は、8月上旬は1-6件だったが、中旬に約10件、下旬には約20件と増加。市内の内科と小児科の50医療機関で行っている定点観測でも、8月下旬の1週間で1機関当たり3.56人の患者が発生し、流行の目安となる「1医療機関当たりの患者数1人」を超えている。
このほか、一般質問では、7月に九州北部を襲った豪雨災害をめぐる質疑も相次いだ。市が浸水想定区域で配布している「洪水ハザードマップ」が実態に即していないとの指摘について、市は「下水道などの内水氾濫(はんらん)による浸水想定が盛り込まれていないため」と理由を説明。その上で「浸水被害が発生した地区の表示を見やすくするなどの改良を行いたい」と内容を見直す考えを示した。
県が管理する樋井川、那珂川の河川改修について、吉田宏市長は「住民にとっては県も市も関係ない。行政のはざまで住民に被害が続く事態は避けなければならない」とした上で「県に対してさらに強く改修を要望するとともに、国とも協議をしていく」と語った。
=2009/09/12付 西日本新聞朝刊=