西日本鉄道(福岡市)の子会社でバス組み立てメーカーの西日本車体工業(北九州市)は7日、11月末で切れる派遣社員213人の契約を更新せず、雇い止めにする方針を明らかにした。業界再編の影響で、年間約900台を生産しているバス製造事業が来夏以降に大幅に縮小されるため。正社員約300人についても大幅な削減が避けられない見通しで、来春までに削減案をまとめる。
西日本車体にバス製造を委託している日産ディーゼル工業(日産ディ社、埼玉県上尾市)が8月31日、三菱ふそうトラック・バス(川崎市)との間でバス事業の統合を発表。2011年1月に発足する合弁会社がバス製造を担い、西日本車体への委託を打ち切る方針を決めた。
西日本車体は、エンジンや車台の供給を受けてバスを組み立てており、日産ディ社からの受注が生産の9割超を占める。大型バスについては来年8月で打ち切りが予定されており、中型バスの発注量が増える見通しだった。しかし、日産ディ社の合弁会社設立に伴い「中型バスの発注もなくなると連絡があった」(西日本車体)という。
削減される派遣社員は、11月末で3年間の契約期間満了を迎える。西日本車体は「直接雇用は無理だが、来年8月までは仕事があるので、短期アルバイトの形で雇用を継続できるか検討中」としている。正社員については、西鉄グループ各社や、日産ディ社側に再就職を依頼するなどして可能な限り、失業にならないよう手だてを講じる。
西日本車体は1946年設立で、西鉄グループの全額出資子会社。年間売上高は100億円(09年3月期)。
=2009/09/08付 西日本新聞朝刊=