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事務次官会見

谷口事務次官会見

2009年9月7日(月) 14:00 〜 14:24
国土交通省会見室
谷口博昭 事務次官

閣議・閣僚懇

 本日の事務次官等会議ですが、当省に関係するものはありませんでした。私からは以上です。

質疑応答

(問)高速道路無料化について報道もありましたが、無料化の試算について事実関係とご見解をお願いします。
(答)試算については国会でもやり取りがありました。報告書そのものと少し入り交じって複雑になっているかもしれませんが、試算ということで申し上げますと、国土技術政策総合研究所の業務に関わる10割引無料の試算については、去る2月25日の衆議院予算委員会において、途中段階の試算として2.7兆円の便益が発生するという試算を行っていた等の答弁を国土交通大臣より行っているところです。更に試算結果を取りまとめた資料を3月24日に民主党にご提出させて頂いていまして、その後、各報道機関に対しても同様の内容を求めに応じてお配りし、ご説明させて頂いているところです。私になってからも8月始めの記者会見でもご質問があって道路局でも対応させて頂いたのではないかと承知をしています。従って国土交通省としてはこれまでも、試算の存在や内容について各方面にご説明させて頂いているところで、報道にありますような「隠してきた」というようなことではないということですのでご理解を頂ければと思う次第でございます。

(問)確認ですが、10割引の試算を行ったのは国総研で、国総研が2007年度に発注している計量計画研究所でなく、国総研が10割引の検討をしていたということで宜しいですか。
(答)と言うことではないかなと思っています。

(問)馬淵議員との国会での質問のやり取りでもあったのですが、国総研が馬淵議員に当時提出した資料には、3割引と5割引のケースのみを記した資料が渡されていて、金子大臣も2月20日の国会で「私は10割引の試算については報告を受けていない」と説明をされて、その後10割引の検討を行っていたというのを2月25日の予算委員会で修正されお認めになっておられるのですが、その削除をしたその10割引を消したというのは誰がどういう判断で行ったのですか。
(答)その点は私は承知をしておりませんので、詳しくは道路局に確認して頂ければと思います。私の理解は報告書には10割引の記載はないということでありますので、業務の成果として10割引は正式に認知されていない中での試算として10割引がなされたということではないかなと思います。

(問)その報告書というのは、3月24日に民主党に提出されたという・・・。
(答)試算ということで出したということです。

(問)3月24日に出されたもの以外に報告書があるということですか。
(答)報告書は既に昨年の4月9日ということで計量研から国総研に報告書が提出されたということになっています。先程の3月は今年になってからの話ですので、昨年の4月に出された報告書には試算という形は報告書には載っていないということです。

(問)そうしますと計量研は3割引と5割引の試算だけをして10割引の試算は国総研がやったと。
(答)そのやりとりは確認して頂ければと思いますが、最終報告書には10割引は載っていない、途中段階で10割引、無料のものが試算されたということではないかと理解しております。

(問)よく分からないのですが。途中段階で試算したものが最終報告書にあえて記載しなかったということでしょうか。
(答)それは成果として、そういうことを求めていなかったと理解をしていただければよろしいのではないでしょうか。

(問)国総研が求められていないものまでやったということでしょうか。
(答)そういうことじゃないでしょうか。

(問)税金を使って調査を行うというところで、国総研というのは外部機関ではなくて国交省の内部機関だと思いますけども、それは適切な対応だとお考えになりますか。
(答)どういう契約内容のもとに行われたかということではないかと思いますが、いろいろな検討を求めておったということではないかなと思います。途中段階ということで、いろいろなやり取りはあり得ることではないかと思いますが、いずれにしても最終報告には載っていないということでございます。

(問)そうしますと、途中段階で検討されていたものを民主党をはじめ求めに応じて外に出していたけども、最終報告書ではそれは消えていて、その途中段階のものは公式の資料としては公表するつもりは今後ないということでしょうか。
(答)試算ということなので、まだ道半ばという理解をしていただければと思いますが、最終的に何時と定まったものは私も聞いておりませんが、道路局において改善・検討を進めているということではないかと思います。

(問)道半ばというのがどうしてもよく分からないのですが、道半ばだけど最終報告書では消えてる訳ですよね。道半ばだけどやめてしまったというのは隠していたということにはならないのですか。
(答)報告書は業務としての報告書ですよね。ただ、10割引、無料化の評価については今道路局において検討を進めているということはその必要性を認めているということではないかと思います。

(問)そうしますと、頼まれていないのにやった10割引の検討を最終報告書にも載せずに国総研は未だに水面下で計算をしているということですか。
(答)誰が今試算をしているということだと思いますが、国総研でしているのか、道路局でやっているのか、道路局に確認してもらえればよろしいのではないでしょうか。

(問)国家戦略局の大臣に菅さんが内定ということですが、先週、菅さんにお会いになっていると思いますが、まだ出来ておりませんが、どういう風に国家戦略局に協力していくかと何かお考えがあったらお願いします。
(答)先週の3日の日、木曜日の夕刻、菅代表代行に会館でお会いさせていただきました。そのときには個別の施策のお話ではなく、いろいろ報道されておりますように、政治主導というかたちでこれからやっていくべきなので、我々の方も皆さん方も少し考え方を根本から入れ替えてもらわなければ困るということで、代表代行が行かれたイギリスの事例等でですね、政治が民意を反映して施策を決めるということをかなり強調されておりました。事務次官会議も廃止されるので、施策につきましては責任持てないので語らない方がいいのではないかとのお話がございました。すぐには出来ないかも分からないけども、そこのところを間違いないようにというお話をいただきました。その後、国家戦略局の担当大臣になられるという報道がございました。政治主導でやられるということで内閣の要で当たられるということでございますので、私どもとしては新しい大臣にもご指導いただきながら民意を受けた新しい政権交代の中での新しい行政のあり方というようなことで心して当たっていく必要があるのではないかと思っております。

(問)先程の話で確認なのですが、3月24日に民主党に提出されたというのは、10割引を含めた試算結果を提出したということでよろしいでしょうか。
(答)もちろんそうです。

(問)その関係でいうと、次官ご自身は今年の2月、3月は技監でおられた訳でございますが、10割引の検討段階の資料が存在するということをお知りになったのは何時ですか。
(答)国会のやり取りの中でということですが。

(問)20日の金子大臣が「私は10割引の報告は受けていない」と答えた時点では次官ご自身もその時は10割引のことを知らなかったんですか。
(答)そうです。

(問)今の関連ですが、元々、3割、5割を国総研が出した当時自民党は無料化を考えていなかった訳ですが、3割、5割しか出さなかった経緯についてはどのように認識されていますか。
(答)よく知りません。司、司の仕事についてそれぞれ局長さんがおられる訳ですし、特に国会答弁は局長が主として、最近は局長が答弁出来ない機会もありますが、今ご質問頂きました技監という立場で答弁ないということで国会の委員会の流れに応じて大臣と担当局長が責任を持ってあたるということではないかということです。技監であった私については時々節目、節目で報告があるということですので、詳しくは道路局で確認して頂ければと思います。

(問)最終報告書に成果として載せなかったことについてですが、やはり未だ信憑性に足るものではないというか、ある程度そういう判断があるのでしょうか。
(答)そういうこともあったのではないかなと思っております。時の与党・大臣が推進する政策のお考えもあったのではないかなと思いますが、無料化と料金割引ということで国会の中で論議があったということもあるのではないかなと思っております。

(問)先程、計量計画研究所は3割、5割の試算しかしていない。国総研がそれを10割の検討を行ったと仰ったという理解で宜しいでしょうか。
(答)実作業としてどちらがやったのかよく分かりません。

(問)委託発注された計量計画研究所の調査は、2007年度、19年度、2008年の4月に報告書が出ているのですが、その2007年度の検討作業の中で計量計画研究所が10割も一緒にやったということですか。
(答)やっていたかも分かりません。それは確認してもらえばと思います。報告書の中には正式なものとして残っていないと、だから途中段階では色んなケースを議論していたのではないかなと思います。

(問)それは必ずしも国交省としては指示していないということでしょうか。
(答)そういうことではないでしょうか。報告書には載っていないということは。

(問)10割の検討は委託先が勝手にやったことなのか、国総研が依頼しているということは国交省が依頼していることになると思うのですが。
(答)まあそうでしょうね。だから道路局がどこまで関与していたかはよく分かりませんが。

(問)そこはきちんと精査をして私共にお話して頂くことは出来ますか。
(答)今日はそういう求めがございましたので、次回にでも確認してご説明させて頂ければと思います。

(問)補正予算についてお伺いしたいのですが、東京外環道路について今回95億円程予算が付いているんですが、未だ入札等々が進んでいないと。民主党がもう既に補正予算について見直しをかなりやるということを公言していますが、これについては今後どういう対応を次官としては想像されているのかお考えをお聞きしたいのですが。
(答)東京外環につきましては首都圏の3環状という大事な環状道路の1つを担う重要な路線だと思っております。また、その重要性が国会の中で議論され、補正予算が付いているということではないかと思っております。現在、地元説明に向けて測量や地質調査、用地買収の進め方等について検討しているところですので、未だ現地に入って予算を執行する段階ではなく準備をしているということと理解しています。

(問)同様のケースで神戸港の整備事業で595億円というこれまでにない額も付いてまして、これも地元ではかなり今後どうなるのかと心配する声が挙がっているようですが、これについても如何でしょうか。
(答)詳細には港湾局に聞いて頂ければと思いますが、多分スーパー中枢港湾ということで当初予算にも額が付いているかと思いますが、具体的にどういう内容が補正予算で付いているかというのは承知しておりません。当初予算の変更という形であれば執行は円滑に進むかもしれませんが、別途工事発注ということになるとまだ準備段階でこれからということになると思います。いずれにしても詳細は港湾局に聞いて頂きたいと思います。

(問)そうした部分というのは結局民主党の新しい大臣なりがどういう風にするかという、それを待つということでしょうか。
(答)物によって状況は異なるということではないかと思いますが、いずれにしても政府全体としては先般の記者会見でもお話させて頂きましたが、財務省が説明を求められているということですので、まだ行っていないかもしれませんが全体の枠組みの中でご判断頂き、ご指示があれば適切に対応するということではないかと思います。

(問)公共事業に関連して、新幹線ですが21年度補正1100億円付いてまして、こちらも大きな額で前倒し発注しようということだと思いますが、現時点で昨年末の政府与党合意を含めて、未着工区間を含めてどういうご認識でしょうか。新幹線の未整備区間の着工と今回の補正の影響がどう出るか、この2点お願いします。
(答)我々としては新幹線について新しい政権で明確な方針をお聞きしなければならないとは思いますが、現時点ではこれまでの事業進捗、目標がありますのでそれに従って県のご理解を頂きながら着実にやっていきたいということではないかと思います。

(問)新幹線も今のところ発注を止める等そういうことは特にないでしょうか。
(答)今のところ、着実に実行したいということですので、これも先程答弁させて頂いた政府全体の方針が出れば適切に対応していくということではないかと思います。

(問)政権交代の関係ですが、日本航空の有識者会議という場を設けて再建を監督されていると思いますが、今後民主党の考え方次第では有識者会議というスキーム自体を見直すことはあるのでしょうか。
(答)それは新しい大臣のお考えを頂くということではないかと思います。我々としましてはすべてについて共通的に言えることかと思いますが、これまでやって来た考え方、現在の状況を説明し、ご判断頂き、ご指示を頂きながら適確に対応するということに尽きるのではないかと思います。

(問)必ずしも有識者会議という場がありきということではなくなる可能性がありますか。
(答)前回の時も答えさせて頂きましたが、説明させて頂き、ご判断、ご指示頂けるかということかと思います。日本航空の経営改善計画につきましては、9月になりましたけれども今月中に抜本的な経営改善計画ということが求められますのでどこまで大臣がご判断頂けるかということかと思いますが、有識者会議も9月中に1回開ければ良い方ではないかと思いますので、大臣のご説明の時期と有識者会議の開催の時期にも関わるかもしれませんが、いれずにしても有識者の理解が得られるような案でないと国民の理解が得られないということではないかと思います。

(問)八ッ場ダムの本体建設工事についてですが、これは新大臣の判断を仰いでその指示に従うという考えに今のところ変わりはありませんか。
(答)繰り返しになりますが、先般の私の会見で入札の延期ということをお話させて頂きました。入札のあり方も含めて本体着工につきましては、これまで進めて来た我々の考え方なり、現在の状況、また治水・利水、1都5県の知事さん方・地元の首長さんのお考えをお話し、できましたら現地も新しい大臣に見て頂いて状況判断をして頂き、ご指示を頂ければという考え方に変わりはないということです。