2009年9月12日12時54分
【ローマ=南島信也】イタリアのナポリターノ大統領は11日、来週の訪日を控えて朝日新聞など日本メディアと会見し、「世界経済に大きな影響力を持つ日本が復活すれば、世界規模の経済危機を克服するための重要なステップになる」と語り、16日に発足する鳩山内閣の政権運営に期待感を示した。
大統領は、鳩山氏が政治理念に掲げる「友愛」のもともとの提唱者で、「欧州統合の父」と呼ばれるクーデンホーフ・カレルギーに触れ、「カレルギーの思想の影響を受けた祖父・鳩山一郎元首相と同様、鳩山氏は(統合の重要性を)よく理解しているはずだ」と、鳩山氏の唱える「東アジア共同体」構想を評価。そのうえで「新政府にとって最も重要なのは、中国、アジア、そして米国、欧州との関係をいかにバランスをとるかだ」と指摘した。
日伊関係については「経済面での関係強化とともに、気候変動や紛争地域の安定、核不拡散、アフリカ開発など協力できる点が多い」と述べ、積極的な外交を求めた。
大統領は16日に訪日し、天皇、皇后両陛下と会見するほか、18日には首相に就任した直後の民主党の鳩山代表と会談する予定。