ここから本文エリア 危険度を調査へ 学校裏サイト2009年09月12日 ネットいじめの温床とされる「学校裏サイト」対策に県教育委員会が乗り出した。民間会社に調査を委託、投稿を危険度別に分ける。来年3月までに報告書を作り、各校の情報モラル教育に役立てる。 学校裏サイトは、学校の公式サイトとは別に作られ、文部科学省によると全国に約3万8千件ある。生徒同士が情報を交換する場である半面、うわさ話がいじめにつながったり、生徒が書いた個人情報が悪意ある大人に利用されたりするなど、問題も多い。 08年度の県教委の県公立学校いじめアンケートで「ネット掲示板に書き込まれるいじめを受けた」と答えたのは、小学校0・5%、中学校4%、高校13・9%だった。 県内では、学校裏サイトを調べる担当教諭がいる学校もあるが、負担が重いことなどから、県教委は、インターネット上の情報の監視と運営を行い、東京都や北海道などの調査も受託する会社ピットクルー(東京)に調査を委託した。県内の公立の中高校、特別支援学校全校で裏サイトの存在を10年3月まで調べる。 調べる投稿は(1)いじめ・中傷(2)不法行為(3)トラブル(4)個人情報の流布(5)その他、の5種類。内容の危険度に応じて高・中・低と設定する。 「時間と場所を指定し、自殺や事件を予告する」など生命にかかわる投稿は危険度「高」とし、見つけると県警に通報、ピットクルーを通じてサイトの運営者などに削除を依頼する。個人が特定可能か、継続的かどうかなどの点からも危険度を決める。 ピットクルーによると、不適切な投稿の9割は、子どもが個人情報を書いたものという。同社は「一度書き込まれた情報を削除することは難しい場合もある」と、安易な投稿に警鐘を鳴らす。「ネットは匿名社会ではなく、緊急性の高い事案は警察が動き出すことも教える必要がある」 県教委は学校裏サイト監視と同時に、情報モラル授業のカリキュラムを作り、来年度から授業を始める考えだ。
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