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自民内に渦巻く「私怨」 再生の道険し (1/2ページ)
どこまで迷走を続けるのか−。8日の自民党の両院議員総会は1時間を超え、怒号とヤジが飛び交ったが、決まったことは総裁選の日程と、首相指名選挙で「緊急避難措置」として両院議員総会長の若林正俊元農水相の名を投じることくらい。半世紀にわたり、政権を担ってきた巨大政党はすっかりその矜持(きょうじ)を失ってしまった。
「われわれは野党になるんだから、その決意をきちんと示さねばならない。戦う政党として決意を新たに政権の奪還を目指していく。そういう政党に生まれ変わっていく。一致団結をお願いする」
麻生太郎首相(総裁)は淡々とした表情でこうあいさつした。衆院選後の党内の混乱にほとほと嫌気が差したのか、すっかり「油っけ」が抜け、達観しているようにもみえた。
首相は自らへの批判が噴出することを覚悟していたようだが、首相への批判はほとんどなく、出席議員の怒りの矛先は細田博之幹事長ら党執行部に集中した。
高市早苗元少子化担当相「なぜ首相指名選挙までに総裁選をやらなかったのか」
江藤拓衆院議員「麻生総裁の辞任は大変な決断だが、執行部はいつまで残るのか。一緒に辞めないのか」
後藤田正純衆院議員「この場で執行部に対し質問すること自体甚だ理解できない。総裁を選ぶまで、誰かが暫定統治し道筋を作らないと話にならない」
総裁選の前倒し要求が強かったのは、首相指名選挙で「敗軍の将」である首相の名を書きたくないという思いが強いからだ。かといって執行部の腹案だった「白紙投票」も嫌だ。別の人物の名を書くのも抵抗がある。衆院選大敗のやり場のない悔しさをどこにぶつけたらよいのか。総会では、そんな個々の「私怨」が渦巻いた。
派閥領袖による談合型の党運営にも不満が噴き出した。「ボスが集まって談合するようなことはもう絶対にやめてくれ」(加納時男参院議員)、「派閥の幹部が出てきて総裁選を左右するようなことはもうないとはっきりさせてくれ」(大村秀章衆院議員)。