元「コメディNo.1」の芸人・前田五郎(67)が、今年4月に漫才師・中田カウス(60)の自宅に届いた脅迫状をめぐり「ぬれぎぬを着せられ、休養を強制された」などとして、所属の吉本興業に対して約1億円の損害賠償を求める提訴の準備に入ったとされる問題で、前田の元相方・坂田利夫(67)とカウスが9日、それぞれデイリースポーツなどの取材に応じた。坂田は、前田が週刊新潮に寄せた手記の内容について「ウソばっかり」と激怒。カウスは脅迫状の筆跡が似てると指摘された前田がしどろもどろになる様子を収めたレコーダーの音声を公開した。
◇ ◇
穏やかな表情ながら坂田は「週刊誌などではボクがコンビ解散を切り出したように書かれていますが、それは完全に間違いですわ。ウソはあきません…」と怒りと無念さをにじませた。
坂田によると、8月31日に前田から「話がしたい」という電話があり、午後5時から約1時間、大阪市内の坂田の自宅で2人で会談。
そこで前田が「自分は芸人を辞めようと思っている。これ以上(坂田に)迷惑もかけられへんし」と解散を切り出してきたという。
坂田にとっては、騒動の渦中にある前田を切り捨ててコンビを解散するような考えはなかっただけに「ボクから解散を口にしたような報道を見てあぜんとしました」と寝耳に水の事態だった。
また、8日の午後6時ごろに前田から電話があり、解散の経緯をめぐり坂田が「オレは自分から解散なんてことは言ってない。どうなってるんや」と問いただしたところ前田は「自分は(週刊誌の取材に)そんなことは言うてへん」の一点張りだったいう。
坂田は「ボクはお客さんに笑ってもらうのが好きやから、死ぬまで仕事はやっていきます。コンビ間のことを声高に言うのは何ですが、応援してくれる方々のためにも、本当のことだけはしっかりと言っておきたかったんです」と寂しげに言葉に力を込めた。