元「コメディNo.1」の芸人・前田五郎(67)が、今年4月に漫才師・中田カウス(60)の自宅に届いた脅迫状をめぐり「ぬれぎぬを着せられ、休養を強制された」などとして、所属の吉本興業に対して約1億円の損害賠償を求める提訴の準備に入ったとされる問題で、前田の元相方・坂田利夫(67)とカウスが9日、それぞれデイリースポーツなどの取材に応じた。カウスは脅迫状の筆跡が似てると指摘された前田がしどろもどろになる様子を収めたレコーダーの音声を公開した。
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カウスによると、レコーダーに音声が収録されたのは、今年4月19日夜。大阪市中央区の吉本興業本社に前田がカウスを呼び出し、脅迫状の筆跡が似ていることについて1時間12分にわたって釈明した。その2日前には坂田が「お前が書いたんちゃうんか!」と前田に詰問したこともあり、脅迫状への前田の関与が芸人間で広がっていた。
週刊新潮に寄せた手記で前田は「ヤクザの脅しそのもの」の詰問を受けたとしているが、デイリースポーツが確認した音声ではカウスは終始前田を「兄さん」と呼び、穏やかな会話。また手記の「1時間近く(カウスが)1人でしゃべっていた」という事実はなく、ほとんど前田がしゃべっていた。以下、注目のやりとり。
◆自ら筆跡が似ていることを認識
カウス「この脅迫状、心当たりありませんかって楽屋に張り出されたらどうなりますか?」
前田「そりゃみんなオレの(筆跡)や言うわ。オレを知ってるもんやったら」
◆年賀状で何十年にもわたり、吉本や相方・坂田を誹謗(ひぼう)中傷
前田「吉本で半世紀近くお世話になった。ここまでやれたのはオレの力やない。吉本に感謝してる」
カウス「それが年賀状に吉本の悪口を」
前田「調子に乗ってん」
カウスはデイリースポーツの取材に「会社が筆跡鑑定したのも前田さんがシロであってほしいからやったことなのに…」と前田が吉本を逆恨みする現状を、しきりに嘆いていた。