吉本興業株TOBを発表 民放、通信出資の投資会社東京、大阪両証券取引所1部上場の吉本興業が計画する株式の非上場化をめぐり、民放各社や通信会社などが出資する投資会社「クオンタム・エンターテイメント」(東京)は11日、吉本の株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。 クオンタムの社長で、前ソニー会長の出井伸之氏らが同日夕、都内で記者会見、「非公開(非上場)化で新しい吉本興業が生まれる。企業価値を向上させる」と強調。吉本側も「国境を越えて、アジアに日本のエンターテインメントを広げていきたい」と語った。 買い付け期間は、今月14日~10月29日まで。買い付け価格は1株1350円で、全株取得の際の買い付け金額は約506億円。大崎洋社長や吉野伊佐男会長は経営陣にとどまり、吉本興業の社名は残す。 クオンタムはTOB成立後に、残りの株式も取得し吉本を完全子会社にする計画で、吉本株は上場廃止となる見通し。株主優待制度なども廃止になる。 クオンタムには企業などが240億円を出資。金融機関からの借り入れ最大約300億円と合わせ買い付け資金などに充てる。 TOBでは、買収相手の資産を担保に、銀行などから資金調達するレバレッジド・バイアウト(LBO)を活用する 主な企業では、フジ・メディア・ホールディングスが30億円、日本テレビ放送網、TBSテレビ、テレビ朝日、パチンコメーカーの京楽産業(名古屋市)などが各20億円、ソフトバンクが15億円、テレビ東京、電通などが各10億円、ヤフー、大成建設などが各5億円を出資する。 吉本興業は11日、TOBへの賛同を表明。吉本の創業家も賛同しているという。全株取得後に、吉本興業は親会社となるクオンタムと合併。出資企業が新たな吉本の株主となる。 【共同通信】
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