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自公政権崩壊/新しい政治への扉/1/歴史を変える好機2009.09.02 日刊紙 1頁 総合 (全1,322字)
東京・有楽町の外国特派員協会。総選挙の開票日翌日の8月31日、200人は入ろうかという会見場は詰め掛けた特派員と日本人記者であふれかえっていました。日本の総選挙でなにが起こったのか、内外の関心の高さをうかがわせました。
怒りの熱 「昨夜起こったことは、単に自民党が権力を失い、他の政党が衆院で多数を占めたということではない。いま、新しいダイナミズムがわきおこっている」 長く日本政治を研究してきたジェラルド・カーティス米コロンビア大教授は、講演をこう切り出しました。「東京やその他の大都市から離れれば離れるほど、怒りに満ちた人々がそこにいる」。カーティス氏はそう指摘し、現在の生活に不安を感じている人々、豪華施設ではなく医療や介護を求めている人々、働く場所をつくりだす経済を求めている人々、それらの人々に自民党が解決策を提供してこなかったとのべました。
その怒りがどこに向かったのか。カーティス氏は「選挙戦全体で非常に興味深い点は、反自民フィーバー(熱)が国を覆ったことだ。人々は『変化』に投票した。自民党による国家の運営からの変化だ。民主党への高い期待からではない」と分析しました。
同日夜に放映されたNHK討論スペシャル「“政権選択”に政治はどう応えるか」に寄せられた視聴者のファクスやメール。そこにも国民の怒りが現れていました。
「格差拡大への反発が自民惨敗という結果となった」「民主党支持というより自民党不支持の意思を示した」「小泉政権の痛みを伴う改革などによってもたらされた、大きなひずみを丁寧に、そして十分に検証してほしい」「弱者へのしわ寄せがどれほど人心の荒廃をもたらしたのか。国民生活の生の現場に目を向けてほしい」 討論に出席した日本共産党の市田忠義書記局長は「暮らしをよくしたい、社会保障をよくしてほしいという怒りが『自公政治ノー』の風をつくりました。この結果は、日本の政治の前向きな大きな一歩として、大変歓迎すべき事態だ」と語りました。
政治学者の五十嵐暁郎・立教大教授はいいます。 「選挙で政権が交代したのは、日本の政党政治、社会にとって画期的です。投票する人が、自分の一票で政治が動いたという経験をしたことは、今後の投票行動にも影響を与えると思う」 そのうえで五十嵐氏は「新しい政策が求められる時代に突入した」と、次の点を指摘します。
-外交・安全保障では、「日米同盟基軸」というだけで、アジアとの関係を構築できなかった自民党政治。それに代わり、今後どういう新しい方針を打ち出すのか。
-内政でいえば、「経済成長」を競うのでなく、生活の場から住民参加で生み出される政策を核に、生活の質を競う政策が求められる。
党の役割 「新しい政策の時代では、先駆的な政策を掲げる『建設的野党』の役割が求められるということですね」。五十嵐氏は、日本共産党の役割にこう言及しました。
カーティス氏は先の講演で語りました。「いま起こっているのは、おそらく戦後最も重要な政治的変化だ。もちろん多くの問題があるし、システムを変えるのが難しいことは、オバマ政権の医療改革をみてもわかる。しかし、日本の歴史のコースを変える好機が存在している」(つづく)
しんぶん赤旗