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救助作業事故:そり滑落で遺族が提訴 北海道積丹岳の遭難

 北海道積丹町の積丹岳(1255メートル)で今年1月に遭難した札幌市豊平区の会社員、藤原隆一さん(当時38歳)が道警にいったん救助されながら、そりが滑落して死亡した事故をめぐり、藤原さんの両親が11日、道に約8600万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。

 訴状などによると、藤原さんは1月31日、積丹岳でスノーボード中に遭難。2月1日に道警山岳遭難救助隊の5人に救出され、救助用そりに乗せられ下山を目指した。だが、そりを引くロープにくくりつけた樹木が折れ、藤原さんはそりとともに約200メートル下に滑落。救助隊はその後捜索を打ち切り、藤原さんは2月2日、遺体で発見された。救助隊は藤原さんを助けなければ、死亡すると予見できたが、救助義務を怠ったとしている。

 記者会見した藤原さんの母親の晴美さん(64)は「救助活動に感謝はしている。だが、救助活動の問題点を改善し、今後、犠牲者を出さないために提訴した」と話した。

 道警監察官室は「結果的に人命を救うことができず、誠に残念ですが、訴状を見ていないのでコメントは控えさせていただきます」としている。【水戸健一】

毎日新聞 2009年9月11日 21時03分

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