北九州市は、北九州都市高速道路の利用者離れに歯止めをかけるため、独自の料金割引を導入する方針を固めた。民主党政権で、都市高速と並行する九州自動車道が無料となれば、通行量の激減は避けられず、対抗策を練り“防戦”に動く。
同都市高速は5路線、全長49.5キロ。同市などが出資する公社が運営する。市や公社は今後自動料金収受システム(ETC)の活用を念頭に(1)特定区間割引の導入(2)時間帯割引の拡充(3)土日・休日割引の拡充‐などの複数案を比較、検討。「社会的実験」と位置付けて来年8月から導入し、成果を踏まえて本格実施したい考えだ。
公社によると、都市高速の2008年度の1日平均通行台数は約8万8千台で、ガソリン価格高騰や経済情勢の悪化で前年度比4.9%の減少。09年度も低迷が続き、7月は同約8万3千台まで落ち込んだ。
中核路線の4号線31.8キロ(春日‐馬場山)は、九州自動車道の門司‐八幡インターチェンジ間(31.3キロ)と並走する形で同一地域を結び、「高速無料化」が実現した場合、「深刻な影響が出る」(市幹部)とみられている。
公社関係者は「通行量が増え、収支も悪化しない割引を検討中。『高速無料化』の実施時期や区間は不確定だが、都市高速の利便性を高める知恵をしぼりたい」と話す。
=2009/09/11付 西日本新聞朝刊=