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【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 ウワサの北朝鮮社会 (2/2ページ)

2009.8.1 07:59
このニュースのトピックス言語・語学

 「北では今や金さえあれば何でも可能だ」というが、裏切りや密告が横行する北での生活をあきらめ、再度の脱北に成功し韓国にわたった。その間、中朝国境に滞在中、瀋陽の日本総領事館に協力を求めたが、日本行きは実現しなかったという。

 北で最も懐かしく欲しかったのは「日本のラーメンとカレーとコーヒー」だった。帰国者は日本からの仕送りが順調だったバブル期は羽振りがよかったが、日本でバブル景気がはじけ、北でも食糧難による飢餓が広がった90年代中ごろは、縁故がなく逆に悲惨だった。「当時は毎日2回ほど行き倒れや病死者、餓死者を山に運んで埋めた」という。

 ところで金氏によると北朝鮮は帰国者仲間をはじめ相当なウワサ社会で、あらゆる“極秘情報”が流通しているという。

 金正日総書記の”ロイヤル・ファミリー”に関する情報も例外ではなく、たとえば金氏が作家同盟にいた当時、金総書記の娘が入学したという金日成総合大学の生命工学部が一躍、超人気学部になった。“ご学友”になれば将来が開けるからだった。

 このところ話題の後継者問題でも「以前、はずされたと思った金正男がオヤジ(金正日)にピストルを突きつけ、『なぜ私ではいけないのか?』と迫ったなどというウワサもあった」とか。

 また「金正日にはニセ者が2人いて、何もしゃべらない場合はニセ者だ。ニセ者の弟が平壌近郊の南浦市にいてそういっている」という話もあるという。

 あるいは金総書記のためといわれる「長寿研究所」のスタッフから数年前、「最近、いくら酒を飲んでも肝臓が悪くならない薬を開発中だ」と聞き「われわれは、あれは“マサ”のためだといっていた」という。日本からの帰国者たちは、金正日総書記のことを漢字の「正」からもっぱらそう呼んでいるという。

 ヤミ市情報としては、コメの配給がストップしてもヤミ市場にはちゃんと出回るようになっていて、当局の取り締まりがあるとヤミのオバちゃんたちは「われわれが若い者にコメを食わせてやらずにどうして革命ができるのか!」と居直るのだという。

 金潤氏は自らの経験を含め「秘密警察をはじめ北朝鮮の当局は、あらゆることが、取り締まってもなくならないと知っているため、ワイロを取って大目に見てやる方がお互い利益だと思っている。北は今や金、金、金の社会だ」と言っている。

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