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【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 ウワサの北朝鮮社会 (1/2ページ)
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最近、久しぶりに在日朝鮮人出身の脱北者と会った。1976年、中学2年生で14歳の時に日本から北朝鮮に“帰国”し、北朝鮮で約30年過ごした後、2007年に北朝鮮を脱出し中国、タイ経由で昨年、韓国にやってきた兵庫県川西市出身の金潤氏(46)だ。いわゆる生活難民的な多くの脱北者と違って、比較的恵まれた日本からの“帰国者”の北朝鮮体験談が興味深い。
彼は日本では「金子」といっていたという。在日朝鮮人の帰国運動が「北の実情」が伝わる中で下火になり、帰国者が激減していた70年代中ごろの帰国者だ。祖父が朝鮮総連の幹部で帰国しており、父母と別れて「遠足気分で帰国船に乗った」という。
北では西海岸の海州市に住み、海州師範大を卒業、短大の教員のほか、作家同盟に所属し、在日朝鮮人を素材にした小説を書いたこともある。2人の息子も金日成総合大学と平壌医科大学に通っていたというから“エリート家族”だった。
脱北のきっかけは、近年、北ではやっているドル稼ぎの対外ビジネスの失敗。日本からの仕送りなど財産をはたいて中国へのアサリの密輸出をはじめた。海州あたりはアサリの宝庫だ。しかし仲間の裏切りや詐欺に遭って失敗。その後、中朝国境から中国に密出国するが捕まって送還された。強制労働6カ月の刑を受けるも、ワイロを使ってのがれた。
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