労働新聞 2004年3月15日号 3面
急増する米国債購入
国民の富を絞り、
米のぜいたくを支える売国政府
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小泉売国政権は、イラク派兵のみならず経済面でも、米ドル体制を支え続けている。それは、「円売り・ドル買い」介入で得た膨大なドルを、米国債(主に財務省債)を購入することで米国に環流させていることに典型的に示されている。日本の米国債購入額とその残高は、世界でも突出した額になっており、それはまさに、財政赤字と経常赤字という「双子の赤字」を抱え、国家としてはすでに破たんしている米国に対する「仕送り」である。だが、そのためにつぎ込まれているのは、まぎれもなく、日本国民が働いて生み出した富である。しかも米国債は、ドル安で日々価値を失い、わが国は一昨年は6兆円、昨年には8兆円もの損失を出した。まして、ドルが暴落すれば紙切れである。米国への資金環流を止めさせ、それを日本国内で再投資すれば、デフレや失業は確実に解決される。わが国の国民生活・国民経済を守る政治を実現する、国民運動と世論喚起が求められている。
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米国債保有残高の純増額分のシェア(03年、総額は3775億ドル)
米国債保有残高の純増分で見ると、日本の増加分は、米国内での購入分の約2倍(1671億ドル・約18兆3800億円)。03年の「円売り・ドル買い」介入額約20兆円のほとんどが、米国債購入に当てられたことが分かる。フランス(106億ドル)、OPEC(石油輸出国機構・58億ドル)などは、米国債を売却している。 |
日本の米国債保有残高とシェア
米国債発行額は、米経済の落ち込みが顕著となった01年後半から増加するが、残高に占める日本のシェアが急増している。とくに、03年に入ってからの伸びが目立ち、40%に迫る。これは、日本政府が巨額の「円売り・ドル買い」介入で得たドルのほとんどを、米国債購入に振り向けたため。ブッシュの大減税、およびイラク戦争の経費は、日本からの国債購入なくしては不可能であった。 |
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外貨準備の構成比の比較
日本が購入した米国債は、外貨準備として蓄積されている。外貨準備は、外貨建て債務の返済や為替介入の際に使われるが、日本の外貨準備は世界最大で総額約7769億ドル(約85兆円)。だが、それは外貨証券と外貨預金(両者とも大部分が米ドル)がほとんどで、ドルが暴落すれば、紙切れと化す。金などに分散させている欧米と比べると、ドル依存は明白。 |
ブッシュ減税と日本の米国債純増額
(減税は恒久化された場合の額)
日本が米国債購入で環流させているドル資金は、まさに、巨額の財政赤字に悩む米国への「仕送り」。ブッシュは、01年から巨額の減税を実施しており、それは、総額で米国史上第2位の規模。奇しくも、02〜03年は、わが国の米国債純増額と減税額がほぼ同額。これは偶然だろうか。しかも、減税の約6割は、株式配当・取引への減税などの「金持ち減税」。日本国民の生み出した富は、米国のごく少数の金持ちのぜいたくのために使われている。 |
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