時事通信出版局

教育ニュース

2009年09月10日14時15分

●教諭の過労死認めず=「通常の職務、過重でない」―広島地裁

 広島県尾道市立栗原中学校の国語教諭だった西川修さん=当時(54)=がくも膜下出血で死亡したのは過労による公務災害だとして、妻の和子さん(60)が、地方公務員災害補償基金広島支部長を相手取り、公務外と認定した処分の取り消しを求めた訴訟の判決が10日、広島地裁であった。橋本良成裁判長は「労働時間や責任の程度などが、精神的・身体的に過重であったとは言えない」として訴えを棄却した。
 判決によると、西川さんは2002年9月26日、修学旅行の説明会中に倒れ、5時間後に搬送先の病院で死亡した。和子さんは03年3月に公務災害認定を申請したが、同支部長は05年3月、「疾病発症の原因となるほどの疲労蓄積は認められない」などとして、公務外の災害と認定。その後の不服審査請求も棄却された。
 原告側は、新教育課程への対応や修学旅行の準備など激務が重複したと主張したが、判決は「通常担当すべき職務であり、ほかの職員と比べ特に過重なものではない」と判断。時間外労働が死亡までの1カ月間で80時間、1週間で30時間を超えたとの主張についても、「積極的に裏付ける証拠はない」として退けた。
 妻の和子さんの話 とても残念です。控訴するかどうかは支援者の方々と相談して決めたい。
 西田憲博・地方公務員災害補償基金広島支部事務長の話 基金側の主張が認められたと思う。今後も適正な公務災害補償を行っていきたい。 (了)

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