琉球大病院、骨髄移植手術できず 担当医が退職、再開困難沖縄県内で1カ所だけ非血縁者の間の骨髄移植手術が認められている琉球大病院(西原町)で担当医が退職、ことし4月以降、提供者(ドナー)からの骨髄採取や移植が実施されていないことが5日、病院などへの取材で分かった。 琉球大病院は「新たに医師を募ってはいるが、全国的に不足している。病院だけの努力には限界がある」、厚生労働省臓器移植対策室も「事情は把握しているが、こうしたケースで個別に医師を配置する権限は国にはない。県と(骨髄バンクを運営する)骨髄移植推進財団に善処をお願いしている」としており、再開は極めて困難な状況だ。 「沖縄県骨髄バンクを支援する会」の上江洲富夫代表は「本土での移植は経済的、身体的負担が大きい。県内のほかの病院でできるようにしてほしい」と訴えている。 非血縁者間の移植や採取は、財団が認定する医療機関でしかできず、沖縄県内では琉球大病院のみ。この中で、ことし6月、血液内科の医師2人が「負担が重い」を理由に退職。ほかに移植ができる医師はおらず、4月上旬を最後に手術を受けた患者はいない。 財団によると、沖縄県では血縁者間を含め昨年20件、一昨年7件の移植手術を実施。現在、患者やドナーは福岡県や鹿児島県に行っているという。 【共同通信】
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