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難航する道立紋別病院の移管協議〜市民の会「黙ってられない、行動の時だ」
(9月9日付け)
 道立紋別病院の医療機能等の充実を求める紋別市民の会(会長=知見喜美男紋別商工会議所会頭、市内22団体で構成)の幹事会が7日、紋別経済センターで開催され、難航している道立紋別病院の移管問題について、会として、市民的な運動を展開し道に対し早期の移管を訴えていくことを確認した。具体的な活動の方法は未定だが、署名活動も視野に入っている。
 西紋5市町村が道立紋別病院を道から移管を受け、来年4月から新しい病院として運営していく問題は、西紋5市町村側が移管にあたって道から支援を受けようとする条件と、これに対する道からの回答の中身が大きく食い違っていて、交渉は暗礁に乗り上げている。
 西紋5市町村側は道に対して13年間(移管を受けてから改築までの3年間+新病院完成後10年間)の赤字の全額補填を求めていたのに対して、道側の回答は8年間(改築までの3年間+改築後5年間)の赤字補填で、1年あたりの補填額に上限(4億4500万円)を設定した。
 また新病院の建築費について西紋側は全額道の負担で、病床数は160床と提案したのに対して、道側は100床程度で、建築費は上限を設けて補助する考えを示した。
 西紋側が求める高度な2次医療病院という位置付けについても、道は明確な文言を示していない。
 全体として、2次医療機能を想定した病院かどうかは不透明で、財政面でも地元に大きな負担を強いる内容になっている。8月25日に開催された市議会の特別委員会でも、内容の報告を受けた市議側から道に対する強い不満や怒りが噴出。宮川市長も「(道の回答は)非常に残念。ナンセンスだ」などと述べた。
 「市民の会」の幹事会には、市内の産業団体、町内会など市民各層の12団体から13人の代表が出席。
 市側からは医療確保対策室の姫田潤市室長ら7人が出席し、これまでの経緯や西紋の提案と道の回答との、乖離(かいり)の程度などを説明した。
 出席者側からは「道の回答は、地元の提案と乖離していることは分かったが、道が全部の提案を飲んでくれると本当に最初から考えていたのか。道の厳しい回答も見越して、次の手をあらかじめ考えておくのが、行政のプロではないか」と市側に対する厳しい声も出た。
(なんらかの行動を起こすことを決めた「市民の会」の幹事会=写真=)

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