医学教育などで新政権に要望書提出へ―医学部長会議
全国の大学付属病院長や医学部長などで構成する全国医学部長病院長会議(会長=小川彰・岩手医科大学長)は9月11日、東京都内で記者会見を開き、臨床研修制度の抜本的見直しなど9項目の要望書を来週の新政権発足後、速やかに首相をはじめ関係省庁などに提出することを明らかにした。
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要望書は、医学教育、医学研究、医療政策の問題に対する同会議の主張をまとめたもので、▽医学教育の質の担保のための予算措置の保証▽卒前卒後を通じた医学生涯教育の一貫した政策の担保▽臨床研修制度の抜本的見直し▽メディカルスクールの新設(構想)への反対▽医学研究の再興のための具体的政策の推進―など9項目を訴えている。
このうち、「卒前卒後を通じた医学生涯教育の一貫した政策の担保」については、医学教育を厚生労働省と文部科学省が管轄している現状に対して「なかなか一貫性が担保されない」と批判しているほか、「医学は知識や技術の進歩が急激」として生涯教育の重要性を指摘した。
また、「臨床研修制度の抜本的見直し」については、厚労省と文科省が合同で行った「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」の最終報告に基づき、厚労省の「医道審議会臨床研修部会」で今年5月に5年ぶりの見直しが行われたが、「抜本的な見直しに至っていない」との見解を示した。
■「医学はプライマリケアだけではない」
臨床研修制度の抜本的な見直しを求めるに当たり、要望書では「今回の見直しでは医療崩壊の改善にはつながらない」としている。
会見で、同会議の吉村博邦顧問(北里大名誉教授)は「総合医さえつくれば解決するような感じになっている」などと同制度を問題視。その上で、「標準的な医療を各診療科でできるような医師を育てる仕組みをつくりたい」と述べた。
また、同会議専門委員会委員長会の嘉山孝正委員長(山形大医学部長)は、プライマリケアを「コンビニ」に例え、「コンビニも必要だけど、専門店(専門医学)も商品を作る基礎医学も必要」と指摘。同制度について、「医学はプライマリケアだけで成り立っているのではないのに、それだけを2年間義務化してしまったことに問題がある」とした。
更新:2009/09/11 17:53 キャリアブレイン
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